. ページ20
Hikaru
「どう?美味しい??」
翔「んっ。美味い…」
次の日の朝、辰哉が持ってきたのは涼太の手作り弁当。
本人は仕事が忙しくて来られないけど、食べたがってるならってお弁当にして持たせてくれたのは、
翔太が特に好きな、焼き鳥丼。
俺らからしたら大分薄味で物足りない感じだけど、翔太にとっては病院食よりずっと大好きな涼太の味。
二日ぶりのまともなご飯だけど、双子の力か思っていたより食べてくれた。
「それ食べたらさ、ちょっとお散歩行こっか。」
大分機嫌も良くなったし、気分転換も兼ねて車椅子で中庭に。
焦って言葉に出来なかったことも、今なら少し言えるかな。
「翔太さ、何が嫌になっちゃった?翔太が苦しいの俺達も辛いから教えて欲しいな。」
いけそうかなってタイミングで聞いてみたら、
翔太は少しづつ、でもしっかり自分の言葉で溜まってた想いを話してくれた。
翔「…入院ばっかで、、帰りたいし、、後学校も…」
「学校?何か嫌なことされた??」
翔「違っ…卒業っ、、皆ちゃんと行ってるのに……」
入院ばっかりの生活がストレスだったこと、このままじゃ今年も卒業できないって焦ってたこと。
皆みたいにちゃんと学校行けない、出来ないってことに大きな不安を抱えていたらしい。
翔「皆大学とか、仕事。りょおたもなのに、しょおた出来ないから…。ひかも、学校なのに、、迷惑…」
「迷惑じゃないって。いたいから翔太のとこいるの。ひーがしたくてしてるから。」
涼太も含め、同学年の友達が皆仕事したり大学行ったりってそれぞれの道に進んでって、
同じクラスの子達も次の進路を決め始める時期。
そんな時期に一人入院ばっかで学校にすら行けてなくてって状況で、
焦るなって方が無理に決まってる。
それに、すごく優しい翔太だから、
ここ最近付き添ってた俺が大学行ってないことも分かってて、
自分のせいで迷惑かけてるって気にしちゃってたんだよね。
「良いんだよ、翔太は翔太のペースで。焦んなくて大丈夫。」
翔「でもっ、、何にも出来ないから…」
「何にも出来なくないって。翔太ちゃんと頑張ってるから、生きてるだけで偉いんだよ。」
人一倍大きなものを抱えて、20年近く頑張って生きててくれてる翔太。
お薬も注射も入院も、手術だって全部乗り越えて来たんだから、
そんなの何にも出来ない訳無いじゃんね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1399人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りる(プロフ) - ちーさん» リクエストありがとうございました。大変お待たせいたしましたが移行先で更新しました!出きる範囲でちまちま書いているのでそう言って頂けて嬉しいです、ありがとうございます。 (2022年6月28日 23時) (
レス) id: cf05590dcd (このIDを非表示/違反報告)
ちー(プロフ) - いつも楽しみにさせてもらってます！！リクエストよろしいですか？？蓮くんが貧血で階段から落ちてしばらく義足がつけれなくなるお話が見たいです！同じ書き手として、こんなにたくさんのお話を書いてらっしゃるのはすごく尊敬してます！これからも楽しみにしてます！ (2022年3月11日 6時) (レス) @page49 id: 6bd7aa30ea (このIDを非表示/違反報告)
りる(プロフ) - ゆきさん» リクエストありがとうございました。twitterの方で似たようなリクエストを頂いていましたので、それと合わせて書かせて頂きました。これからも読んで下さると嬉しいです。 (2022年1月29日 21時) (レス) id: 5032c399ea (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - いつも素敵なお話しありがとうございます。次男さんが対策せずに外出してしまって、肌に病気の症状と熱が出てしまうお話しが読んでみたいです。 (2022年1月8日 13時) (レス) id: 22458dd21f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：りる | 作成日時：2021年11月28日 21時
