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Tatsuya








「入るよ〜どう?」




照「ちょっとしんどそう。多分熱又出てきた。」



「マジか…しんどいなぁ。」





事故から一週間とちょっと。




体的に蓮は大分回復したけど、翔太は変わらず。




大きい発作は無いけど、強い解熱剤を使えない分ジワジワ熱が下がってくれなくて、



酸素マスクは外せないし、ベッドから体を起こすのも難しい。




結構しんどい時間が長く続いて、体力もかなり消耗されちゃってるから、



会いに行っても目を閉じてることが殆ど。




今も俺と照が横で話してるのに、起きる気配は全く無い。






照「んで、蓮は?」




「変わらずだねぇ…必要なこと一方的に喋って来ただけ。」





ついさっき、蓮はこっちの病院に転院してきた。




若いだけあって、凄まじい回復力で治っては来てるけど、



精神的には相当辛いままで、会いたくないってのは変わらず。




今日は必要最低限一緒にはいたけど、




病室ついてある程度荷物整理したらこっちに背を向けて寝ちゃって、



話しかけないでオーラビンビンだった。




下手に励ましの言葉並べるのも辛くさせちゃう気がして、俺も上手く喋れず。



必要事項以外は何にも話せなかった。




兄として情けないとは思うけど、今は一人でゆっくりするのも必要なのかなって思ったり。




照も難しい顔で、暫くそっとしといた方が良いかもなって。



何とかリハビリ頑張って、又何か出来る様になったら良いけど。









.









翔「…………んっ、、、」





「ん、翔太ぁ、起きた?兄ちゃんいるよ。」





翔「…んっ、…うん。」





照と暫く喋ってると、ゆっくり薄目を開けた翔太。





何回か声を掛けると意識もはっきりしてきて、




熱で息苦しそうだけど、マスクの下で口をごにょごにょ動かして何か言いたそう。






「どうした、どっか痛い?」




翔「…蓮、大丈夫??」





正直今は蓮より自分の体だろって思うけど、翔太も翔太で弟心配してんだ。






翔「会い、たい。」





会いたいね…。



蓮がここまで来てくれたら会えないことは無いけど、どうだろ。






「蓮、大丈夫だよ。兄ちゃんから後で話してみるから。」





どうなるか分かんないけど、とりあえず。




多少安心出来たら少し元気になるかなって。




それに蓮も、翔太が会いたがってるって言ったら来てくれるんじゃないかなって根拠の無い自信があった。






兄弟想いの優しい子だからね。

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作者名:りる | 作成日時:2021年7月11日 19時

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