初デート (次元) ↑の続き ページ6
「おい、次元」
「なんだ、五ェ門」
「最近、Aとはどうなっておるのだ」
「どうしたんだ、急に」
次元はマグナムの手入れをしていた手を止め、振りかえる。
五ェ門がAの事を尋ねるなんて珍しい。
「いや…。
ルパンが次元とAが恋人らしいことをしているのを、見たことがないと申しておったからな」
「確かに、したことがねぇな…」
お互いが相手の事を想っていることが分かっても、ある程度の関係は保ってきた。
二人とも、その関係を壊そうとはしなかったのだ。
「拙者が思うに、Aはさびしいと思うぞ」
そうなのだろうか。
「このアジトの近くに大きな町がある。
一度行ってみるのもよかろう」
五ェ門はそれだけ告げると、自身の部屋へ戻って行く。
後に残された次元は、
「恋人らしいこと…か」
ぽつりとつぶやいた。
*
洗濯物を干し終わったAは、次元の部屋の前で立ち止まっていた。
ルパンの言う通り、恋人らしいことをしてみたいのは事実だ。
ただ、踏ん切りがつかないのである。
ドアノブに手をかけた状態で、固まってしまった。
一度空気をいっぱい吸い、吐き出す。
頬を軽くたたき、「よし!」と気合を入れる。
覚悟を決めて、ドアノブを押そうとすると、
「わっ!」
急にドアが開いた。
目の前には、Aと同じように、びっくりした表情をした次元がいた。
「ごっ、ごめん…」
急いで謝り、本題へ入ろうとする。
「ねぇ」「おい」
見事に声が被ってしまった。
気まずい沈黙が、その場を支配する。
「……お、お先にどうぞ」
「お前さんが先だっただろう?」
「……」
「……」
だめだ。こんなんじゃ、思いを伝えられない!
気を取り直して、Aは深呼吸をする。
そして。
「これから、一緒に買い物行かない?」「ちょっと出かけねぇか?」
「あ…」
「……」
またもや被ってしまった。
_______
また続きます。
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ゆーたそ(プロフ) - すっごいカッコイイです!ルパンもう少し増えて欲しい! (2018年12月3日 23時) (レス) id: 7df32a732a (このIDを非表示/違反報告)
礼 - 惚れたぜルパン様ァ〜 (2015年4月6日 15時) (レス) id: 24bc0e2a7c (このIDを非表示/違反報告)
☆ghost dance☆ - 気になったんですが、銭形警部の形の字が違うのでは……? (2015年2月3日 15時) (レス) id: edcaa948c8 (このIDを非表示/違反報告)
LongMine(プロフ) - 次元さんがヤバいよ// (2015年2月2日 16時) (レス) id: d84f8ae247 (このIDを非表示/違反報告)
揺楽 - 五エ門格好いいです!リクエストで、五エ門と花見へ行く話を見たいです。 (2015年1月31日 12時) (レス) id: 2bcd23b539 (このIDを非表示/違反報告)
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