BinTRoLLは幼なじみで人気者 Ⅱ (ページ24)

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「本当は、ちゃんと一人ひとり言うべきなんだろうけど」

しるこがそう切り出す
いつもの姿とは似つかず、頬を赤らめて、真剣な表情で

その横にはミンちゃんが
手持ち無沙汰を紛らわすように手先を絡めて忙しなく動かしている
ただその瞳は、しっかりと私を捉えていた

はこたろーは、珍しく耳まで真っ赤にしていた
体の横で固く手を握っている

いちはちくんは…
こちらを見つめる目に少し涙が浮かんでいるように見える
そして服の裾を握っている

じらいちゃんはいつもと変わらぬ笑顔
その顔でニコニコとこちらを見ている

不安が顔に滲み出ているかるてっちーは、こちらを見つめたまま口を固く結び、段々と真剣な表情へと変わる

先生は、いつもと違う、余裕のなさそうな顔をしている
初めてみたかも、この顔…

ぐじぃはこちらを見つめ、眉根を寄せて、心配そうな、困ったような顔をしている
暫く見ない間に身長のびたな…

なんて、随分呑気なことを考える

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「俺等みんな、Aのことが好きなの。みんな、結構前から。互いのことわかってて、でも誰も行動にうつせなかった」

言葉一つ一つを口の中で反芻する

「Aが俺等の気持ちに気づいてたのかはわかんない。でも、俺等はAへの気持ちを理解してる。この気持ちから最終的に行き着く行動も知ってる」

「はなちゃんが言ったから、もう今は気づいてると思う。だから、そういうことなので、」

「俺等から誰か一人を選んでほしい」

覚悟はしてた。なんとなく予想もしてた。
でも、改めて、面と向かって言われると、返答が出てこなくなる。

誰を選ぶべきか、誰を選びたいか
そう問われても、決めがたい

みんな、今まで同じくらい好きで、でもそれは恋愛感情じゃなくて、その中から誰か一人を特別な存在に変えるのは難しくて…

でも、ここまで誠意を見せてもらったのに、私が中途半端なことできない

グルグルと考えた末に、私は口を開いた

「私には、この中から誰か一人を選ぶのは難しいことで、みんな好きなんだけど、でも、選ぶよ」

「けど一つ約束して。私に選ばれなかったとしても、これからも、今まで通り仲良くしてほしい」

「ありがとう、じゃあ言うね。」

「大丈夫だと思うけど、恨みっこなしでお願いね」

私はその人を見つめ、名前を呼んだ。