潤「534話目だって！葉山くん！」 ページ9
宿泊施設の屋上。
Aは、一人 眼下に夜景を眺望する葉山の元まで来ていた。
髪もまだ碌に乾いておらず水が滴り、しかも薄着だ。
余程 急いでいたのだと伺える。
すると、彼女の後を追って久我と堂島もやって来た…が、2人は屋上の扉の死角で息を潜める事にした。
「あんたが背負ってるものの事、聞いた」
「……！」
「進級試験で私を倒せば、あんたがやりたかった事を続けられる。これはその為の勝負に過ぎない…って事だね」
「……そうなるな」
するとAは息を大きく吸って──
「人をナメんのも大概にしろよ」
「こっちは秋の選抜で負けたリベンジマッチに来てるの。形はどうあれ、あんたとの真剣勝負が出来るって燃えてた」
「なのに皿以外の事に余所見してんじゃねーぞコラぁ…！」
──えぇええええ何に対して怒ってんの!!?本当に話聞いてた!?Aちん!!
だいたいAちんだって自分の退学かかってるんですけど!?忘れてない!?
某ひょっこりな芸人のように様子を覗きつつ無言で狼狽する久我。
「……はぁ…なに青臭い事言ってやがる…勝負に目的は付きものだろ。世間知らずはこれだからしょうがねえ………お前に何が分かるってんだ」
「大事な居場所だったんじゃないの」
「なのにその自分の居場所を守る勝負すら出来なかった」
「そんな情けない男に負けるかっての」
「幸平ァ……っ!!!」
Aの言葉に顔を顰めた葉山。
血走ったその目には、いつもの冷静さは見当たらない。
「あぁそうだ。あんたがこの前言ってた賭けとやら…食戟……受けてあげるよ」
「…ほう」
その言葉を耳にした葉山は、少しばかり昇った血が冷めたようだ。
'機関としての葉山アキラ'を取り戻したのかもしれない。
「──二言は無い、な？」
「勿論」
「あんたが勝てば、私は中枢美食機関の駒にでもなってあげるよ。'そちら'のお望み通りね」
「但し」
「私が勝った暁には、葉山は機関をやめること!!!」
ビシッと人差し指を向けて溌剌と云うA。
葉山は一瞬 酷く苦しそうな表情をしたが、彼女にはそれが何故だかなんて分からなかった。
「──…いいだろう……そこまで俺に負かされたいなら」
「引導を渡してやるよ」
──そしてその日はやって来た。
三次試験当日！
宿敵・葉山アキラとの、運命を賭けた大一番!!
久我先輩が色々言ったり思ったりするだけ
「そんな弱気な幸平ちん見たくないゾ！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 580人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
大二重(プロフ) - 鶴姫輝さん» コメント有難うございます！ 続編が出るの遅くてすみません……(；´Д｀) もう少しで出せますので今暫くお待ちいただければと思います！ (2018年7月27日 20時) (
レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
鶴姫輝(プロフ) - この作品大好きです。早く続きが読みたいです。 (2018年7月27日 17時) (レス) id: 2481538c9a (このIDを非表示/違反報告)
大二重(プロフ) - 蓮子さん» 有難うございます!!! い、一気にですか!?お疲れ様です…！(´･ω･)っ旦~ こんなにも楽しんでいただけて、私 感激しております！ これからも頑張りますねっ！ヾ(●´∇｀●)ﾉ (2018年6月29日 18時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
蓮子 - 一気に1章から見ました。面白いです！これからも楽しみにしてます！頑張って下さいね！ (2018年6月29日 17時) (レス) id: e28d5c13f1 (このIDを非表示/違反報告)
大二重(プロフ) - 紅雅華咲さん» ああ有難うございますっ!!! そんな風に言っていただけるなんて占ツク作者冥利に尽きます！ヾ(●´∇｀●)ﾉ 私自身が司先輩最推しなので、気合い入れて書きました♪楽しんでいただけまして何よりです！これからも全力投球で頑張ります!!! (2018年6月12日 6時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：大二重 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時：2018年5月9日 21時
