恵「529話目ですっ…！」 ページ4
―――
仕切り直して、再び調理台へと立ったA。
そこにナイスタイミングで久我がやって来た。
「おまたー！ご所望の品、手に入ったよ〜」
「Aちんが見つけた例のブツ…その実を乾燥させた物だよ」
「有難うございます！さっそく新しい熊料理を試してみます………」
「この'五味子'を使ってね!!」
五味子──中国、朝鮮半島に広く分布している落葉性の蔓植物。
日本にも北海道と中部以北で自生している。
また『薬膳』に於いては生薬としても利用されているのが特徴だ。
そんな五味子を使ってAが作ったものは……
「──出来ました！熊の脂身と赤身を合挽にした…熊肉ハンバーグです！」
「うおおおっ…！なんというボリューム感！匂いも堪らぬ！嗅ぐだけで血が滾るようだ…！」
「しかし味は大丈夫なのか…!?あれだけ豪快に熊肉をミンチに…」
「あぁ！臭み抜きが成功していなければ……」
食べるのを躊躇している中華研メンバーをよそに、久我は早速 ナイフを入れ始めていた。
「主将!!?な…なんと男らしい！」
「わ……我らも続くぞー!!」
一口。
「こ……これは!?」
口に入れた途端、広がる甘くまろやかな脂身のコク…香り高い赤身……とめどなく放たれる肉汁。
熊特有の風味は感じるものの、それを不快に感じさせず、寧ろ本能を揺さぶるまでに昇華させていた。
「こ…これが五味子の効果だというのか!!?」
五味子はその名の通り、五つの味を備える生薬として扱われてきた。
それぞれの味が異なる臓器に効能を齎すとも言われている。
「酸味、苦味、甘味、辛味、塩味……この五つの味と風味がバランスよく熊の獣臭を包み、迫力ある旨味へと見事に変化させている!!」
「因みに五味子は日本酒に漬け込んでます。アルコールで五味子のエキスを出させる事でスパイスとしての機能も活きるので！」
「……けど何でAちんが五味子の味を知ってたわけぇ？」
「それはですね…私の友達に薬膳にめっちゃ詳しい人がいるんですよ。その人に──緋沙子に教えてもらったんです」
「成程のぉ……」
──'別の切り口'が必要とは言ったけど…まさか中医学の領域からアイデアを引っ張ってくるとはね……!!
確かに薬膳の材料にはスパイスとして有名な物が多いけど、それにしても流石の発想力じゃのう──!!
緋「530話目です、えりな様！」→←悠「528話目だってさ！」
久我先輩が色々言ったり思ったりするだけ
「そんな弱気な幸平ちん見たくないゾ！」
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大二重(プロフ) - 鶴姫輝さん» コメント有難うございます！ 続編が出るの遅くてすみません……(；´Д｀) もう少しで出せますので今暫くお待ちいただければと思います！ (2018年7月27日 20時) (
レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
鶴姫輝(プロフ) - この作品大好きです。早く続きが読みたいです。 (2018年7月27日 17時) (レス) id: 2481538c9a (このIDを非表示/違反報告)
大二重(プロフ) - 蓮子さん» 有難うございます!!! い、一気にですか!?お疲れ様です…！(´･ω･)っ旦~ こんなにも楽しんでいただけて、私 感激しております！ これからも頑張りますねっ！ヾ(●´∇｀●)ﾉ (2018年6月29日 18時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
蓮子 - 一気に1章から見ました。面白いです！これからも楽しみにしてます！頑張って下さいね！ (2018年6月29日 17時) (レス) id: e28d5c13f1 (このIDを非表示/違反報告)
大二重(プロフ) - 紅雅華咲さん» ああ有難うございますっ!!! そんな風に言っていただけるなんて占ツク作者冥利に尽きます！ヾ(●´∇｀●)ﾉ 私自身が司先輩最推しなので、気合い入れて書きました♪楽しんでいただけまして何よりです！これからも全力投球で頑張ります!!! (2018年6月12日 6時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大二重 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時：2018年5月9日 21時
