其の料理人は唐突に 拾陸【食戟のソーマ】

叡「406話目だとよ」 ページ9

Aの疑問が晴れるのに、そう時間はかからなかった。



双方が皿を出す。


すると、表示版には……叡山に3票の文字が。






A以外も、異変に気がついた。




『おい……機器の不調か？まだ食べもしていないのに表示が…』

モニターの向こう側で、審査員達はニヤニヤと嘲るように笑っていた。









そして、これを見ている者達は気がつくのだ。




彼らは、グルだった！







『…勝負あり。串打ち研の解体は決定とする』

『おい待て！待てぇ!!…叡山お前！審査員を丸め込んだのか!!ふざけるな…こんな食戟は無効だ！まかり通るものか！』


『もう今までの遠月とは違うんだ』








『退学決定！甲山よ！さらばだ！』







「嘘でしょ…」



悠姫は、絶望的な表情をした。





「頼みの綱の食戟まで、乗っ取られちゃうなんて……!!」






画面の向こうで、叡山はAを嘲笑した。







──どうだ？幸平……これが'見せしめ'だ



















食戟は、死んだんだ




―――

その頃…食戟管理局では、相変わらずド派手なスーツを身に纏った局長がゲッソリとしていた。



「薊政権め…！神聖不可侵の真剣勝負、それが食戟だぞ…！奴らは…それを汚したのだ…！」



このままでは薊政権は今後さらに止まることを知らずに暴走を続け、遠月は彼らの為の無法地帯となるだろう。



険しい顔つきの局長の元に、叡山がやって来た。


「叡山枝津也…！何の用だ…!?」

「俺への食戟申込み…百件を軽く超えていたと記憶しているが…今はどうなってるかと思ってね」








「全て……キャンセル…された」



叡山は、大袈裟な身振り手振りをつけて嗤う。



「くはっは！本当かよ？驚いたぜ！残念だなぁ！こっちは何戦でも受けてやるつもりだったのによ」


勿論、彼は全く驚いてはいない。寧ろ…彼の予想通りに事が進んでいるといって良いだろう。









しかし、'見せしめ'を行った叡山の本当の目的は、別にあった──



― ― ―

おまけ


※薊さん、放送演説中




「どーでもいいけどさ、薊総帥ってかっこいいよね」


「な!?A……と、年上が好きなのか!?」


「いや、そーゆー訳じゃないけど、ほら…こんな風に暴走してなければダンディーでいいと思うんだよね〜」

「そ、そうか……」




「何でタクミがそんな悲しそうな顔するの？」





(兄ちゃん、頑張ってね。応援してるよ)





今日も兄思いなイサミくんでした。

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