貴「396話目だよ」 ページ31
父親の言葉に、えりなは耳を疑った。
「でも…料理を粗末に扱うなんて…」
そう言った彼女の腕を、薊はギリギリと力を込めて掴んだ。
「お父様…!?い、痛いっ…痛い…です!」
「やるんだ」
薊のゆらゆらと揺れる瞳に恐怖を抱いたえりなは、屑入れに料理を捨てた。
「えりな」
「よくやったね」
にこりと微笑んだ父親に、ホッと安堵する。
彼の思う'完全なる教育'は、日々、着々と行われていった。
─いいかいえりな。情けを持ってはいけない
─語るべきは味の是非だけ。不出来な品を決して許すな
─この父の認めるもの以外は──
屑だ、芥だ、塵だ
その暗い部屋で、彼女が光を見失うのにそう時間はかからなかった。
悪魔の囁きはやがて、幼い少女の心を完全に蝕んだ。
「お父様が認めるもの以外は、ごみ……」
―――
それから暫く経ったある日の事。
突然、暗い部屋の扉が勢いよく開かれ、仙左衛門をはじめとした使用人達が薊を取り囲む。
「…心外ですねお義父さん。僕の教育でやがて神の舌は完成形に至るのに」
「貴様がした事は'教育'ではない。'洗脳'だ」
「貴様は危険すぎる。二度と薙切を名乗る事は許さん」
その日、薊は遠月から追放された。
― ― ―
おまけ
みんなの日常
data VI 〜司先輩〜
「今日も幸平かわいいな…」
「こうして見ているだけで、こんなにもドキドキするなんて…」
「はぁ……こっち見てくれたらいいのにな…」
今日の司先輩は、ヤンデレ度低めなのか!!?
「こんなにもずっと見てるのに…」
「目が焼ける程に'見守ってる'のに!」
「あ…もしかして、幸平は俺の事試してるのかな…?」
「はは…幸平は意外にもイジワルなんだね!……そんな所も愛おしいけど」
ヤンデレ、しっかりと健在でございました!!
▼ 司 は ヤンデレ度 が 上がった!
▼ おめでとう!
ヤンデレ属性 『妄想型』が 追加 された!
Aの感じていた視線の正体は司だった!←
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした!
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大二重@受験生(プロフ) - 凛月☆男の娘は国宝!!さん» いやいやそんな……!凛月さんに沢山応援していただいているおかげで、私はとても楽しく小説を書かせていただいております(*^O^*) 完結までお祝いしていただくなんて、本当に嬉しいです!改めまして、本当に有難うございます! (2017年7月26日 16時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
凛月☆男の娘は国宝!! - 大二重@受験生さん» 今までは、忙しくて『続編おめでとうございます!』としかコメントできませんでしたが、こうして章の完結を祝うコメントが出来てとても嬉しいです!! さて、では改めて続編おめでとうございます!(≧▽≦) (2017年7月26日 16時) (レス) id: 89f15ab5c3 (このIDを非表示/違反報告)
大二重@受験生(プロフ) - 凛月☆男の娘は国宝!!さん» 有難うございます!(*^O^*)♪ そうですね…漸く十傑の方々の活躍ですね! また、司先輩と久我先輩は書いていてとても楽しいので、これからもドンドン出していきたいと思ってます!^^* これからも楽しんでいただけますよう頑張ります! (2017年7月26日 16時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
凛月☆男の娘は国宝!! - 大二重@受験生さん» 『其の料理人は唐突に』第15章 完結おめでとうございます! 私の学校も22日から夏休みに入りました!(≧▽≦) さてさて第15章では司先輩と薊先輩や十傑達が本格的に本編に関わってきましたね、夢主ちゃんの恋のこれからの展開とても楽しみです!!( *´艸`) (2017年7月26日 16時) (レス) id: 89f15ab5c3 (このIDを非表示/違反報告)
大二重@受験生(プロフ) - 東雲さん» コメント有難うございます!! 恋愛シーンはかなり不安だったので、そう言っていただきとても嬉しいですヽ(*´∀`)ノ むむ…!確かに、十傑と1年生メンバーは何かとぶつかってますね(笑) これからも楽しんでいただけますよう頑張ります!(b・ω・)b (2017年6月30日 20時) (レス) id: 03a3ee1556 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大二重@受験生 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/meernosedona/
作成日時:2017年6月23日 22時