其の料理人は唐突に 拾伍【食戟のソーマ】

ア「386話目よ♪」 ページ21

―――

えりなには、尊敬する料理人がいた。

まだ幼い彼女が、いつか自分の料理を食べて欲しい事を伝えた時、其の料理人は、えりなにこう言った。



─よおし…君がいい料理人になった時、ご馳走になるとしよう


―――



えりなの父親が模擬店に来る少し前の話。


彼女はとある席を見て、心を踊らせる。





模擬店でたった一つ、開けているテーブルがある。それは、其の料理人の為の席なのだ。




─…まだまだ精進が足りないという事ね。いつか、あの人がいらっしゃる日のために……








この時の彼女は、自分の小さな願いと思いが、まさか自分の父親によって踏み躙られるだなんて、思いもしていなかった。



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「えりな…君の料理はこの程度の人種に振る舞うためにあるのではない。もっと仕事する相手を選び給え」


「君の品位が翳むよ」





そんな事を豪語した男に、周りの客たちは一斉に怒号を浴びせた。


しかし、その男の顔を見た途端、客達は焦りの表情を見せだす。




「一体なぜ今になって!?」






「あの男は何年も前に、遠月から追放された筈だ!!」



薙切の家において、その男の存在は、完全に消去されていた。


暗黒の記憶が今、その封印を解かれようとしている。









えりなは、その男を見てカタカタと震えだした。



「えりな様！大丈夫ですか!!」


緋沙子は慌てて彼女の背中をさすった。






「今までどこで何をしていた…!?そして何をしに現れた！」









「薙切……薊…!!!」


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追加説明




司先輩の言葉で、

『そして竜胆と一旦出た後、駆け込んで来たのは数10分後。
だからこの時も電池を抜く時間は無い。

極星寮まで走っても、遠月の広大な敷地を掛けた後に電池を抜くには、遠すぎる。』


という部分が前回の話にあったのですが、遠月の敷地の広さについてあまり触れていなかったので触れさせてください。



原作の創真くんは、遠月の敷地があまりにも広い広い事からバイクの免許を取っています。(15巻参照)



そして、山の手エリアと極星寮はかなり距離がある感覚でお願いします。

貴「387話目ですがな」葉「幸平…？」→←葉「385話目らしいぜ」※訂正

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