其の料理人は唐突に 拾伍【食戟のソーマ】

恵「368話目だよっ」 ページ3

三日目の夜。

今日も久我飯店に大差を付けられたまま終了。




「マジ？やー助かるわ！有難う富田さん！」



「…よし、手配してもらえるよ！」



私は明日の土曜日の月饗祭への準備を着々と整えていた。



「あとは……店の周りにアレが沢山欲しいけど…これはちょっと宛が思いつかないな…」


「Aちゃん、何が必要なの？」






必要なものを言えば、恵んはもしかしたら…と呟いた。

そして、どこかへ電話をかける。
私は試作を続けることにした。

―――
――

試作を重ねて暫く経った。


遂に、私は納得のいく料理を作り上げる事に成功！


「…出来たっ……！」


「これなら……！」





明日は土曜。

来場者は今日よりもっと増える。







狙い通りだ。



―――


そして運命の4日目。


久我飯店から久我先輩のメガホン越しの激励の声が響く中、私達は例の準備を終わらせたところだった。


富田さんに用意してもらったのは、沢山の席。


「有難う富田さん！」

「いいんだよ！それにAちゃんの頼みなら断れないよ！」

「お礼に一品食べてってよ！」






「朝知恵じゃのうAちん」


調理に入った私に、何度目かの謎の口調を展開しながら、久我先輩が登場した。


「必死で考えた結果がコレなのかえ？」


今度は何の口調だ……


「席増やせば客が来るかもなんて、ちょーっち単純すぎじゃありゃーせんかしら？」






「いくら味じゃ敵わないからってさ」




ホント、久我先輩は私に何かと突っかかるのが好きだよねぇ…。何なんだろマジで。





…あ、そうだツンデレってやつだったんだ。



私はは至って冷静に返した。


「まぁ確かに私は月饗祭初めてで、編入したての新参者ですもんねー」



「けど、店を構えての客商売に関しては…」





私は、ゆきひらの娘だ。


何年、お父さんと共に厨房に立ってきたと思ってる。









「私の方が先輩より、10年ほど先輩ですよ」









「それに──」




さて、新作料理のお披露目といきますか。

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