其の料理人は唐突に 拾肆【食戟のソーマ】

貴「348話目だよ」 ページ10

出店受付最終日。



受付を済ませたえりなの後ろからAがトテトテとやって来た。


「お願いしま〜す」



「……え!?」

申込書を受け取った運営委員は、声をあげずにはいられなかった。


「ほ…本当にここでいいんですか!?」









「中華料理研究会の真ん前ですよ!!?」



えりなは唖然とした。

数日前ののほほんとした彼女が、こんなにも大胆な作戦を考えていたなんて。


「空いてますか？」

「何しろ中華研が強豪で…ガラ空きですが」

「良かった良かった！……あぁそれと、料理のジャンルは」






「中華でいきます」




「な…っ!!?」


信じられないとでも言うようなえりなにAは相も変わらずほんわかとした顔をしている。


「…地獄の合宿で200食づくりの課題あったよね。それで私がクリア出来たの、アンタの列に並んでたお客さんをいい感じに引っ張れたからだよ」




「思ってみれば私が生き残れたの、薙切んのおかげだわ！ありがとねん♪」


えりながAの発言に腹を立てない筈が無かった。


「バカにしないで！何がありがとねん♪よ！」

「口調が久我先輩に似てきているし……それに！私への侮辱は許しませんから─」

「ん、電話だ………あ〜みつるぅ？」


「ちょっと！何普通に出てるの！」


マイペースなAに振り回されるえりな。彼女にこんな風に接する事ができるのは、恐らくAしかいないだろう──



「さっき頼んだガイドブックの件、どうよ？」

『ハイ！ばっちりページ確保しました！今日中には学園にばら撒きますよ!!』


―――


その日の午後。



「はっはぁ!!Aちん！」









「のんきな顔して過激ぃ〜〜っ！」


中央エリアの模擬店紹介ページ。


''遠月学園 期待の新星・高等部1年 幸平A！

見せます！誰も見た事の無い中華!!!''


久我の中華料理研究会の隣のページに載っているのは、Aのぽわん…とした顔写真と、何とも大胆なキャッチフレーズ入りの紹介。









「……宣戦布告は受け取ったよん」


「受け取っただけだけどね」



そんな事を呟く久我。しかし、心のどこかでAとの勝負が待ち遠しくも感じていた。

―――

― ― ―

こんにちは、大二重です！



か、過去最高19位……？








ビビりすぎて禿げそうです!!

嬉しすぎて髪の毛を押さえながらソーラン節踊ってます！←



有難うございます!!!!ヽ(；▽；)ノ

慧「349話目だよ!!」→←緋「347話目だ！」

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す