trouble.6 メイドさん（仮）。 ページ8
笹森の家に着いた。
相変わらず大きな豪邸だと思う。
自分の目の前に聳え立つ門に思わず脚が竦む。心無しか、腕の中に居る林檎も震えて居る気がする。…気の所為か…。
……分からない。
『ピーンポーン、ピーンポーン』
玄関に備え付けられていたボタンを押すと、呼鈴の無機質な音が帰って来た。
矢張り何処の家でも呼鈴は普通なんだ、と改めて実感した。
『…はい、何方様でしょうか』
奥から聞こえて来たのは、柔らかく物腰の良さげな落ち着いた声。笹森じゃねェな、女給さんか何かか？
「…柊ですけど」
『……嗚呼、柊様ですか。少々お待ち下さい』
「………はあ、」
仕方無く指令に従い、其の場で待つ。
…喉乾いた。
暫くすると、先程の声の持ち主で有ろう女給さん(仮)が出て来た。
女給さん(仮)って云うか、メイドさんっぽい格好をして居るな……、笹森趣味悪。
メイドさん(仮)が冥土に逝って仕舞うよ？
(…後から柊は何故か寒く成った、身体中が)
「今日はどの様な御用件で？」
メイドさん(仮)はニコリ、と愛想良い笑みを浮かべながら話す。
じゃあ自分も笑みを返してやろう。
薄っすらと笑う…と云うより微笑を浮かべると、相手はほんのりと顔が赤く染まった様に見えた。
…気の所為であろう。
「…いやぁ、御宅の笹森クンと話がしたいんですよね」
メイドさん(仮)は少し怪訝な顔をする。
「…分かりました、御案内します」
と云いながら部屋の方に踵を返し、着いて来るよう自分に促した。
少し機嫌が悪そうに見えた。
まぁ、そりゃあそうか。
自分と笹森が初めて出逢ったのはーー
trouble.7 馴れ初め。→←trouble.5 怠重い。
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梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます！！これからも面白くしていけるよう精進して参ります！ (2019年7月21日 17時) (
レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです！応援してます！ (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梓 x他1人 | 作成日時：2019年1月21日 0時
