trouble.38 先輩の所為で。 ページ40
_あの時、寝惚けていたのも分からなかったのだろうな、私は。
_夢に中也が出て来るなんて。
_例え幻覚だったとしても、目の前で元相棒が無惨に殺されると叫んで仕舞うものだろう…?
「…え、じゃああの太宰さんの叫び声は、」
落ち着きを取り戻した太宰が深呼吸をし、ポツリと敦に応える。
「そうさ、…夢の中の中也が原因だよ」
情けない、と云った素振りを見せる太宰。
敦と鏡花は正直少し呆れていた。真逆の原因が何時も太宰が嫌悪している中也だったなんて。
「はぁぁあ…」
「何だね其の溜息は!少しぐらい心配してくれ給えよ…後輩なんだから!」
急に先輩面をし、かなり大きな声で云う太宰。
そのせいで床にまだ寝そべって寝ていた蓮がキレて起きてしまったようだ。
「…うっさいな…もっと起こすなら静かに起こせや…」
「わぁぁ蓮君!悪かったから!蹴りは止め給えぇぇ」
寝起きは機嫌が悪いから優しくする、と蓮に蹴られそうになった太宰とその光景を見てどうする事も出来なかった敦と鏡花は心に刻んだのだった。
___
「で、何だ今日の遅刻は?蓮はまだ初日だから仕方ないから許すが…それ以外、何か云いたい事があるか?」
状況が直ぐに頭に浮かんだ人は、相当怒っている人物の事を良くご存知でいらっしゃるのでしょうね。
…そうです。その通りです。今、敦と鏡花と太宰は正座をさせられ説教を受けていたのです__勿論次期社長候補の国木田から。
「…ち、違うんです国木田さん!僕と鏡花ちゃんは悪くないんです!これは太宰さんがッ」
「…急に叫ぶから、様子見に行ったら、長々としょうもない話を聞かされて、遅刻した」
「__お前の後輩はこう云っているが先輩の太宰?どうなんだ?」
太宰の目には悪魔…と云うより鬼の角を生やした国木田が見下している光景で一杯だった。
まぁ、あの時より冷や汗が滴り落ちまくる訳で。
「…鏡花の云う通りですよ、国木田サン」
三人が正座をして説教されているのを横目で見つつ、凄い速さで先日の巻き込まれた報告書を書き上げている蓮が鋭く云った。
「太宰…今からお前だけ特別に説教してやろう」
ヒュッ、と太宰の喉が鳴る。
元ポートマフィア最年少幹部だったとしても、今怖いものは怖いのだ。
「___許して下さい」
その後の太宰の姿は、窶れていた。
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梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時