trouble.19 推理と行先。 ページ21
男は目を細め、微笑を浮かべながら話す。
「…君さっき、トイレから出て来た時カウンター席に座ったよね?其の時にマスターは珈琲の銘柄を云った。〈普通は云わない〉のに。と云う事は、君は〈何時も此処に来ていて、マスターと珈琲について話している〉ことなのだよ。
なのに此の上の階にある私達の職場ーー武装探偵社を知らない。何時も私達は此処に来て休息を取っていて、騒いでいるのに私達を知らない。
君は、一体何者なのだい?」
自分は息を飲んだ。
言動には注意すべきだと思ったが…此奴は探偵社、と云ったな。
じゃあ…誤魔化しは無理か。
「…自分は、」
此処に、転送されたんです、と云おうとしたが云えなかった。
金髪長髪長身の男が息を切らせて店に走り込んで来たからだ。
お陰様で入り口付近で話していた自分は扉にぶつかる。
ドン、と。
「痛った…」
「此処に太宰は居るか!?」
「はぁい、どしたの国木田くん」
「お前に依頼だ。…ん?何だ其奴は」
国木田サン、と云う人が此方をジト目で見て居る。
それより謝れよ。
「此の人はー……」
太宰サンと名乗るさっきの包帯男が国木田サンに何かをゴニョゴニョと耳打ちしている。
国木田サンは太宰サンの話の途中、目を見開いて此方を見た。
頼むから余計な事は話さないでくれよ?
「…お前、あの凶悪犯を捕まえたそうだな。
彼奴は我等武装探偵社が探して居た犯人だったんだ。ご苦労、有難う。」
…嗚呼、何だ、其のことか。
「…はぁ、」
そう答えるとあの迷惑男が和かに話した。
「それでね国木田くん!
此の子に事情を聞くために社に連れて行きたいのだよ!」
…勝手に話を進めないでくれ、と此の男に嫌悪の念が積もるばかりであった。
……そういえば、
太宰と国木田ッて確かかの有名な文豪じゃあなかったっけ…
trouble.20 確信。→←trouble.18 しくじった。
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梓(プロフ) - ルルナナさん» ありがとうございます!!これからも面白くしていけるよう精進して参ります! (2019年7月21日 17時) (レス) id: 73b249ebe7 (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナ(プロフ) - とっても面白いです!応援してます! (2019年7月21日 9時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 x他1人 | 作成日時:2019年1月21日 0時