【文スト】花が咲く頃に。【太宰治】 (ページ39)

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森「今日はもう疲れただろう。

明日からの事は色々手配しておくから、今日はゆっくりし給え」

私は頷いた。

『分かりました、有難う御座います』

エリス「今日は楽しかったわ、又遊びに来て頂戴！」

『分かった。…あ、今日描いた絵の勝負は結局何方が勝ったの？』

エリス「うーん…、分からないから、ダザイとチュウヤに判定して貰いましょう！」

太宰さんはえ、と戸惑いの声を挙げていたが、エリスは太宰さんに目もくれずに側に居た黒服さんに中原さんを呼んでくる様に云っていた。

数分後。

廊下から少しばかり疾い足音が聞こえる。
中原さんだ。

ガチャ、

中原「エリス嬢、何でしょうか」

中原さんは胸に帽子を当てている。
忠誠心、かな。

エリス「Aとお絵描き対決をしたの。

何方の方が上手く描けているかダザイとチュウヤで判定して頂戴！」

中原さんは〝ダザイ〟と聞いた途端、今迄の凛々しい表情が苦虫を噛み潰した様な表情に激変する。

太宰「やあ中也。

君のセンスは絶望的だけど、エリス嬢が絵を判定して欲しいと云って居るんだ。ちゃんとしてよね」

太宰さんが中原さんに向かって揶揄う様に云う。
もちろん中原さんは反抗するわけで

中原「五月蝿ェ太宰。

手前ェのセンスも絶望的なんだ、脚引っ張んなよ」

先程迄の忠誠心が滲み出た感じは何処に行ったんだ、と聞きたくなる程態度が悪い気がする。

…目付き悪いですよ、中原さん。

中原「…あァ？…華瀬、何か云ったか」

『何でもありません』

はぁ、まただ。