76- ホームで勝負編おまけ ページ42
再びなり始めた発車予告音に慌てて自分達の列車へと向かうとドアの近くで赤坂さんが早く入りなさいと叫んでいた。
「待って置いてくなよ!」
「Aくんこっちこっち」
手招きした伊藤くんに呼ばれ閉まりかけている近くのドアをすり抜けるように飛び乗る
ギリセーフか
「間に合って良かった…」
「席戻ったら暫くは大人しくしとこーね」
伊藤くんと話しながら戻ろうとした時ピンっと引っ張られる制服に首元を閉められカエルの潰れた音が喉から漏れた。不機嫌気味に後ろへ顔を向けると若干青くなっている三橋
「どしたの三橋クン」
「…った」
「ん?」
「制服挟まった」
血の気の失った顔で笑う三橋は絶望の雰囲気を漂わせている
既に発車している列車が止まるのはあと数十分後だ
「…さよなら三橋、お元気で」
「このひとでなし!」
「ははは」
ワーワーと騒ぎながら暴れる三橋に背を向け距離取りそのまま戻ろうとすると腕を掴まれる
「…本当に置いてくのかヨ?」
ぎゅうっと俺の袖を持ったまま涙目で俯き気味にこちらを見る三橋、あれなんか…心臓がうるさいな?
見慣れない茶髪から僅かに見え隠れする目は大きく、まつ毛が長いんだなと初めて知った
「なんだよ、何とか言えよー!」
「…はぁ」
お菓子とお茶持って話し相手になってあげました。
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作成日時:2019年10月4日 23時