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そこに立っていたのは担任の椋木を始めとしたあのキャラの濃い教師たちだった。
何故アンタらがツッパているんだ！？
「道開けんしゃーい」
変なものを避けるように開久の集団が道を譲る。
あれだけ恐ろしかったはずの奴らがこうもあっさり椋木なんぞの言うことを聞いていることに驚く
どれだけ怖い奴らでも訳がわからないものには近づきたくないらしい
「えー、君達は腐った蜜柑です！腐った蜜柑ってどういう意味だと思う。腐ったメロン、や桃は…腐りかけが一番いい」
「腐ったメロンと桃の話いります？」
「聞いて？でもね、そしたらメロンと桃は腐りかけが美味しい、たべれる！でもね…うん」
「いや、蜜柑の話だけでいいです」
「でもね、メロンと桃は腐っても食べれるけど腐った蜜柑は食べられない。それくらい強い言葉で君達に呼びかけてる…この腐った蜜柑め」
何を見せられてるんだろうか
さっきまであんなに格好いい喧嘩を見ていたのに、おっさんの茶番を見せられている。
脳内の処理が追いついていない
その時外から数台の車が止まる音と、パトカーのサイレンが鳴り響いた
「え？なんでポリ？」
「私通報しておきました」
「えなんで通報したの？そしたらウチらの生徒も捕まっちゃうじゃん！そしたら…加藤優みたいになってさ！」
「いや金八先生の話はもういいですから！」
「俺達が言わなきゃいけないじゃん、俺達が『腐った蜜柑です』って」
「下手くそだからいいです、ほら早く逃げないと大問題ですよ！」
開久が片桐を連れて逃げるのを確認して、伊藤の腕を肩に回す
「俺らも逃げなきゃヤバい、肩貸すヨ」
「あぁ、悪い」
「気にすんなって！赤坂さん、お父さんは今井くんに任せていいから突っ立ってる三橋引きずってこれる？」
「うん！三ちゃん行こう！」
「…今行く」
「ぬぉぉぉお義父さんんん！」
「頑張れ今井くん」
この中で一番タッパのある今井くんに赤坂パパを任せ、急いで先生達の後を追う。
出た直後中から沢山の走る足音が聞こえた、間一髪と言ったところだろう
「捕まらなくて良かったな」
「だな…いててて」
「あっ悪い…つーかヨ、肩の位置が違いすぎてこれ辛いわ」
「え？ちょっ！」
「うん、これがいーね」
「…すっごい恥ずかしいんですけど」
「そんな怪我で威嚇しても怖くねーよ、ジッとしてな」
笑いながら言えば不貞腐れ黙った伊藤くん
前で待つ奴等の元へ走って合流し、そのまま俺達は仲良く病院へと向かったのだった
あっ、したのはおんぶです
「………」
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作成日時：2019年9月7日 1時
