２６. ページ31
「来ちゃったぁ…」
全力で腹を抑え蹲る今井くんが横に座った
さっきまで元気だったじゃねーか！
そうは思っても口には出さず、俺は三角座りをしていたので急いで顔を隠す
見つかるのはごめんだ
呆然と立っている三橋くんは勿論相手の対象になった、任せたぜ
「テメェらよくも開久ナメてくれたな」
「だって襲ってくるから…」
「お前ら銀龍会の井上さんもやっただろ」
誰だ…
隣で伊藤がヤバイと小さく呟いた
きっと俺が知らない間にやり合った相手なんだろう…銀龍会ってヤーさんか？いくらツッパリといえどヤバイのでは…？
完全に巻き込まれ損だ
「巫山戯た偽名使いやがって…」
全く事情がわからないのは俺だけじゃないらしい
キョトンとしている今井くんと目が合いお互いに首を傾げる。よかった、知らないのもう1人いた
「何の事？」
「何の事だろうね」
三橋と伊藤を交互に見るが2人ともだんまりだ
…伊藤くんに関しちゃ喋る気力もないんだろう
へばっている俺たち3人を見て、一息吐き大ボスへ視線を戻し奴等の元へと進み出た三橋
何もできない俺達はただ行く末を見守ることしかできない
「片桐さんよ、アンタ強いんだろ？タイマンしようぜ」
「勝てると思ってんのか」
「余裕だ」
その時パタパタと聞こえてきてた足音
「三ちゃん！」
入ってきたのはとても可愛らしい女の子だった
鈴の音のように心地いい声と一瞬漂ういい香り
これが女子！しかも激マブな女の子！
「可愛い…」
「理子さん…」
「何今井くん知り合いなの？紹介して」
「ダメだ、お前にはやらん」
「なんでだよ」
「顔がいいからだ」
「…俺ハンサムだもんな」
「トドメ刺していいか」
「だーめ」
くだらないやり取りの間に状況はドンドンと進んでいく。柔道着を着た顔のデカイ変なおっさんが意気揚々と入ってきた
続々と現れる知らない顔に気持ちが全然付いていかない
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作成日時：2019年9月7日 1時
