１６. ページ20
そこからは鬼ごっこが始まった。
文字通り、相手は鬼だった。
入ってる時コッソリと後ろを見たことを後悔した
「これ、どこまで走る、んだ…はぁ」
まだまだ慣れない街を2人の後を必死で着いてく
逸れたら確実に迷子だろう
「やべ」
「行き止まりじゃねぇか！」
鬼はいつの間にか本物の警察に変わっていたらしい
向こうからお巡りが走ってくるのが見える
ここまで逃げるのに商店街の物を倒したり、壊したりしたからな…主に三橋が
今捕まっちまったら壊した物の弁償して停学
「転校早々停学なんて御免だから！？お前の所為だぞ三橋ィ！」
「お前もミツハシだろうが！」
「うるせぇ！」
「ちょっ本当そんなに振られたら吐いちゃうから！落ち着け、何か考えっから…」
暫く考え込む三橋
お巡りが段々と近づいてくる
もうダメかもしれない、今まで全く関わりの無かった今井くんと顔を見合わせる
…コイツ、この出血量大丈夫か？
ちょっと冷静になった
「よし、今井！」
「なんだ！」
「お前泳げるか」
「河童の今井とは俺のことだ」
「誰が呼んでるんだヨ」
「嘘だ、誰も呼んでない。だがこの今井勝俊…泳げる！」
その発言を聞いた瞬間石を拾い今井くんの制服に詰め出した。嘘でしょ？この子、本当に悪魔なの？
少し笑っているのが怖いんですけど
自分にされなくてよかったと思いつつ、俺も彼の制服へ石を詰める。
「今井くん、ここに立ってくれる？」
「あぁ！ところで君の名は？」
「それは後ほど」
「はい…どーーん！！」
「悪いな、今井くん」
川に落とされた今井くんに手を合わせる
これ感謝を表しているのであって拝んでいるわけではない
「大変ですおまわりさん！僕の友達が川に落ちてしまってぇ！！！泳げないんですぅ！！」
大分大袈裟ではあるがなかなかの演技でお巡りを巧みに騙した三橋は、追ってきたお巡りを川に誘導することに成功した
…このお巡りさん、多分阿呆だ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2019年9月7日 1時
