17話 ページ18
潮風に吹かれながら、青年は窓辺に佇んでいた。
思案するように瞳を閉じる姿は、陽の光を浴びて男の美しさを際立たせている。
彼はある報告を待っていた。
彼がこの世で一番大切にしている少年の運命を決定する報告を。
ふいに部屋の扉が開き一人の男が入って来た。
男は青年の幼馴染であり、腹心の部下でもあった。
青年が閉じていた瞳を開くと宝石と呼ぶに相応しい青い色が覗く。
「どうだ？」
短い問いだが青年の言わんとする事は男に伝わっていた。
男は軽く頷き問いかけに答える。
「ボスの予想通りだ。本部で最高純度の死ぬ気の炎が七つ確認された」
ボスと呼ばれた青年は己の予想が当たっていた事を確かめると、またも目を閉じる。
瞼の裏に思い起こされるのは愛している少年の笑顔。
少年の笑顔を、青年はずっと守っていたかった。
しかしそうも言っていられない事態となり、青年は覚悟を決める。
ゆっくりと目を開きながら窓の方を振り返る。
窓から見える海は青年の瞳と同じ色をし、光輝いていた。対して青年の瞳の色には翳りが見え、何かを迷っている様だ。
ふと青年が小さく掠れた声で言う。
「俺は、あの子に恨まれるだろうな……」
青年の独り言であったが声色は憂いを帯び、側に居た男も思わず顔を顰めてしまった。
だがそんな迷いを振り払う様に、青年はきらめく金の髪を振る。
「ロイ。ツナを……沢田綱吉を迎えに行く」
ロイと呼ばれた男は微かに息を呑んだが反論はしない。
彼にとって幼馴染でありボスである青年の決定は絶対なのだ。
ところ変わり、とある巨大マフィアの本部。
本部は突然の事に混乱し、原因の究明を急いでいた。
突如現れた青年達は一つの部屋に集められ、そこに一人の老人が入ってくる。
一見優しいおじいちゃんだが、泣く子も黙る巨大マフィアのボスであった。
けれどもこの時ばかりは平静で居られない。
「なぜ貴方がたが……？」
九代目の問いを無視し、いきなり金髪の青年は告げた。
『日本に行く』と。
疑問ばかりが残るが彼の超直感が告げていた。
彼らを日本に向かわせなければと。それに元より此方から指図は出来ない。
青年達はこの巨大マフィア・ボンゴレもとい自警団を組織した人達なのだから。
初代ボスであったプリーモは自分が生き返った理由よりも、超直感が警鐘を鳴らす事が気掛かりだった。
ーー早く、デーチモの下へ行かなければ。
続く (更新停止中)
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ひろミンダー(プロフ) - 輪廻さん» んんっ！？返信遅れてすみません！気付かなくて！コメントありがとうございます！頑張ります！ (2016年12月31日 10時) (
レス) id: 6c85f2ce5e (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - はじめまして、輪廻です。続き楽しみにしてます!! (2016年12月24日 20時) (携帯から) (レス) id: 30b187a32b (このIDを非表示/違反報告)
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