14話 ページ15
綱吉サイド
「ちょ、二人とも喧嘩はやめて！」
慌てて止めに入ると二人は渋々口喧嘩をやめてくれた。
その代わりと言わんばかりにランは俺の首に腕を回し抱き付く。
「ふふっ。恋人同士みたいだね？」
ランは綺麗な顔立ちをしている。その彼に微笑まれたら照れるのは当然で……
「こ、恋人同士って……」
頬が赤くなり視線を彷徨わせるとすぐさまレイがランを俺から引き離した。
「だから、ツナにちょっかい出すなって」
「ならレイもツナ君を抱きしめれば良いじゃん。意外と柔らかいよ」
「……」
無言のまま俺をじっと見たりしないで！？
そっと両腕を守るように身体の前に回せばレイは笑い出す。
「本気にするなよ。それよりさっさと行くぞ」
ランの腕を掴んだ状態で歩き出したレイの後を付いて行く。
それにしても、さっきから超直感がビンビンに何かを感じ取っている。
警戒してるわけじゃないけど、面倒事が起こりそうな予感。
なんだろうと首を傾げていると突然後頭部を誰かに思いっきり蹴られ、派手に転ぶ。
俺に容赦なく蹴りを入れる奴なんか、一人しか想像出来ない……！
「ダメツナのくせにサボりか？いい度胸してんじゃねーか」
にっこりと笑顔を浮かべつつ目は一切笑ってない赤ん坊。
俺はあまりの恐怖に震え上がった。
そもそも何でリボーンがこんなところに。
「沢田さん！大丈夫ですか？」
ユニが心配そうに駆け寄ってくる。
大丈夫だと言う前にリボーンが言葉を被せてきた。
「ほっとけ。コイツの場合自業自得だからな」
リボーンの台詞にぐうの音も出ない俺は居た堪れず目線を逸らす。
すると、いつまでも座り込んでいる俺の腕をレイが掴み立たせてくれた。
「お前何でなにもないところで転ぶんだよ。ほんっと目が離せねーなぁ……」
呆れを含んだ声ではあったけど心配はしているらしく痛いところはないか訊いてくる。
「いや、大丈夫……」
リボーンに蹴られた後頭部がヒリヒリするが我慢する。
「ツナ。誰だこの男？」
リボーンが俺の頭に乗りレイを凝視する。
「レイは俺の幼馴染で親友だよ」
そう言うとリボーンは疑わしげにレイを見た。
レイも赤ん坊のリボーンを不審そうな目で見つめていた。
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