8話 ページ8
「は…？」
タバコに火をつけスパスパ煙を吐きながら、相変わらずの上から目線。
尾「やってやろうかって言ってんだよ。二度も言わせるなタコ」
「いや…私は別に求めてないし！」
尾「そうか？今にも泣きそうな顔してるくせに」
言われれば確かに目頭が熱い。
優しい言葉をかけられたから？
月島さんのあの愛しそうな目を見てしまったから？
どっちにしたって辛すぎる。
尾「ほら、今のうちだぞ」
「…今だけだからな」
私は尾形の胸に顔を埋めた。
忘れてやる、忘れてやる。
あの目も、今までも。
そう何度も言い聞かせて、尾形の胸を借りた。
尾「…ははっ、そのまま寝るなよ」
「喋るな。声が響く」
尾「あ？良い声だろうが」
「……うん、眠くなる」
尾「！」
私はそのまま目を閉じた。
尾形の鼓動が少し速くなったのに気付かないまま。
秋の日差しが暖かい。
肌を掠める風も、尾形の温もりも心地いい。
…これでいいの？
尾「い……おい……おいっ、A！起きろボケ」
「うぇ…ねてた…？」
尾「10分くらいな。背中が痛え」
尾形の冷たい手が私の頬をつねる。
その刺激で少し目が覚めた。
「ごめ…心地よくて……」
尾「まだ寝ぼけてんのか。さっさと仕事戻るぞ、遅れる」
私が寄りかかってシワになったシャツを伸ばしながら、尾形は席を立った。
私も立とうと思ったが寝起きで体に力が入らず、転び掛ける。
尾「おい、危ねえ」
「あぶな〜。ありがと、尾形」
尾形が猫に見えた。
だから少し撫でてみた。
すると尾形の瞳孔がニュッと細くなって、面白い。
「へへ、猫みたい」
尾「……触るな。髪が崩れる」
私の手を軽く払い退けて、ズカズカと先を行ってしまった。
「そういうところが猫っぽいんだよなぁ」
意外な収穫。
尾形は意外にも優しかった。
ていうかあいつ、名前で呼ばなかった？
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もちもち - 読みやすく、とてもキュンキュンしちゃいました… 更新楽しみに待っています…！ (1月31日 20時) (
レス) id: b8226735b7 (このIDを非表示/違反報告)
ペェン☆ - おっふ、、()こんな最高な小説があっていいんですか作者様、、、とてもすこです、、、！！ (1月17日 21時) (レス) @page6 id: 3192a02a84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じじ | 作成日時：2022年11月9日 0時
