14話 ページ14
紙袋から取り出したのは、月島さんが選ぶには少し可愛すぎるピアス。
花の形を模した薄紫のリボンと黒のパールが装飾された、いかにも女の子な感じのものだ。
月「知り合いに手伝ってもらって選んだんだが、お前の嗜好に沿うか分からん…」
「これ…いつ買ったんですか」
月「今日だが…？」
ああ、そういう事か。
ここに来る前に見たあの光景は。
そう言えば、月島さんが居たのはそんな店だった。
私の為とはいえ、私のことを知りもしない女の子と選んだピアス。
私が好きなのはシンプルで飾り気のないもの。
あの子が好きなのはガーリーで華やかなもの。
そんな正反対の女の子が勧めたピアスなんか着けられる訳がない。
たとえ月島さんからのプレザントだとしても。
月島さんも、ああいう可愛らしい子の方が好きなのかな。
「…あの派遣の子と選んだんですね」
月「は？」
「……お気持ちは嬉しいですが、受け取れません。私たちあくまで上司と部下の関係なんです。
ただの職場の上司からそんなもの頂けません」
思ってもない。
本当は月島さんからのプレゼントなんて嬉しいに決まってる。
変な避け方をした私を忘れないで、怒らないでいてくれた事も嬉しいに決まっているのだ。
それでもあの子と月島さんとの光景が脳裏に焦げ付いて離れなくて、負の感情だけが溢れてくる。
「それはあの子にあげて下さい。失礼します」
飲み物代だけをテーブルに置いて、私は立ち上がろうとした。
早くこの場を去りたい。
しかし私の手首はあっさり月島さんに掴まれてしまった。
月「A！」
「…っ！」
月「すまない、俺が無神経だった。だが…俺には分からない。何故泣くんだ…？」
「……ないてない…」
月「嘘だ。はぁ……ちょっと着いて来い」
「えっ…！」
月島さんに手を引かれ、そのまま店を出た。
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もちもち - 読みやすく、とてもキュンキュンしちゃいました… 更新楽しみに待っています…！ (1月31日 20時) (
レス) id: b8226735b7 (このIDを非表示/違反報告)
ペェン☆ - おっふ、、()こんな最高な小説があっていいんですか作者様、、、とてもすこです、、、！！ (1月17日 21時) (レス) @page6 id: 3192a02a84 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じじ | 作成日時：2022年11月9日 0時
