《限界メンバー》彼らと過ごす日々

冬　gn ページ42

※少し軍パロ 要素あり

恋人らしいことをしたいと言えばイルミネーションに連れてってくれる彼はやはりロマンチストだ。

周りもカップルが多く少し恥ずかしくなるが景色は凄く綺麗で原人の場所選びに感心する。

真面目な彼の事だしちゃんと下調べしてるんだろうな、と愛されてるのを感じられる。

子供の時から軍に入る事を目指していた私は洋服や化粧に興味などなかった。

しかしげんぴょんと出会って好きになってからというもの彼に相応しくなれるように必死に頑張ってる。

ありがたいなぁ、と心では感謝しているものの直接伝えるのは恥ずかしくて言えずにいる。

いつか言えたらなんて先延ばしにしてるうちは言えないだろうけど、生きてる内に１回くらいは言いたい。

何があるか分からないこの世界で愛してる人にはちゃんと気持ちを伝えておきたいから。

視線を横にずらせば手袋を忘れたのか赤く悴んだ手に白く染まった息を吹きかけ少しでも温めようとしている原人の姿。

可哀想に思えてカイロで暖まったポケットに彼の手を掴んで入れると嬉しそうに微笑んだ。

「きゃー、A大胆じゃん」

『うるさい、そんなこと言うならもう入れてあげないよ』

冗談じゃん！と慌てて否定して握る手の力が少し強くなった。口が悪くなるのはちょっとした照れ隠しだけどそんなことは彼もお見通しだ。

赤くなった顔を見せないようにそっぽ向くと彼の冷たい手が私の頬を包んだ。

「また来年もこれからも見に来ようよ、ここに」

もしかしたら負けてしまうかもしれない。もしかしたらある日突然暗殺者に襲われるかもしれない。もしかしたら裏切りも、あるかもしれない。

だからずっとなんて約束は出来ないから彼はこれからも、と言葉を選んだのだろう。

そのこれからでさえ短い可能性だってあるけれど生きている限り私は原人と一緒に居たい。

『いいよ。約束だからね』


イルミネーションに照らされながら触れるだけの口づけをする。寒い季節だけど彼の隣はいつでも温かい。

春　ar→←夏　gt

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