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#002 死にたがり-2 ページ4

太宰side








ぱちり。








夕焼けの空を映したかのような瞳が

目の前で宝石のように輝く。

それから淡い薔薇色の唇が薄く開いて、

発された音は信じがたいものだった。




「…チェッ。…生きてる。」









…チェッ?





恩着せがましく言うつもりは無いが、

仮にも命の恩人に向かって…舌打ちは無いだろう。


『助けたんだよ?

チェッってのは酷くないかい?』


「ヒドイのは貴方よ…今日はイケる気がしたのに」


この状況から察するに

正しい表現は逝ける…だろうけれども。


「今日のところは仕方ない。仕事しよう。」

「今日はやけに素直になさるのですね。」

広津さんが言う。

「まぁ、今日は未来の”幹部様”に会えたからね。」

『?』

幹部に会えた?

連絡は入っていないが既に幹部は決まったのか?

彼女はゆっくりと立ち上がり、

数歩 歩いてこちらを振り返った。


たなびく黒髪。其れ程高く無い背丈。

陽光を背後の景色ごと剥ぎ取ったかのように

黒いコート、やや紅い色素を持つ目。

見た目の年歳の割に落ち着いた態度。

其れら全てが強い印象を持って、

私の脳に刻みこまれる。


「まあ…一応助けてくれてありがとう”幹部様”。」

『幹部、…さま?』


礼の言葉と共に上がった口角は直ぐに

元の位置に戻ったが、

笑った顔はそれなりに…悪く無かったと思う。









そのすぐ後、首領から

「君が幹部に決定した」

との連絡が入った。

#003 或る共通の友人-1→←#001 死にたがり-1



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置いときもの(プロフ) - 黒木宙さん» コメント有難うございます!更新頑張りますのでお待ちくださいね!!体調に気を付けます!笑 (2017年7月17日 18時) (レス) id: 001e2135c2 (このIDを非表示/違反報告)
黒木宙(プロフ) - 何時も楽しみにしています!次が待ち遠しいです笑体調には気を付けて頑張ってください! (2017年7月17日 18時) (レス) id: 0545e227ea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:置いときもの | 作者ホームページ:http://user.nosv.org/p/oitokimono/  
作成日時:2017年6月15日 23時

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