検索窓
今日:3 hit、昨日:19 hit、合計:20,863 hit

#010 マフィアの黒-2 ページ12

Aside

私達の身体にポッカリ穴を開けるはずだった

銃弾は私の異能によって空中で静止した。

「弾の無駄遣いは良くねぇなあ。

有効活用しねぇと…こんな風に。」

中原が数歩前に出て、静止した弾丸に触れる。

弾丸はゆっくりとその向きを変えると

敵に向かって飛んでゆき、兵士に直撃した。

「お〜〜お見事〜。素晴らしい連携だ。

残るは…敵兵約200名と、能力者3名…

それと幹部様だね。如何する?

このままじゃあ朝までに帰れないよ?」

…とまあ、なにも仕事をしない人間がほざく。

案の定、頭にきた中原に蹴られていた。


『敵の異能は?まだ聞いてない。

どうせ知ってるんでしょう?』

「嗚呼、忘れてた。」

「オイ。」

「雇われた能力者はさっきも言ったけど、3名。

この季節にやたらと

厚着している男は温度を操る異能力者。

顔に傷のある女は切断の異能力者だよ。

あと、此処からじゃ見え辛いけど、

腕に刺青のある男がいる。

其奴は毒を操る異能だ。

殺し屋の中じゃ、此奴が一番厄介だから、

中也に任せよう。

200人の敵兵もオマケで付けとくよ。」

何処からか仕入れて来た情報を私達にペラペラと

話す。先程ビル内を覗き見ただけでこれだけの

情報を仕入れたのだと思うと、

彼との差を実感させられる。

「テメェ…何で俺の仕事だけ異様に多いんだよ」

そう言いながらも中原は作戦中、太宰に

言われた事には必ず従う。

それを知って居て太宰は中原に余計な仕事まで

押し付けるのだが。

本人は微塵も気づいて居ないらしい。

「で、お待ちかねの幹部様は

部下の死体を操る異能だ。」

ふと、疑問に思って太宰の方を振り返る。

彼は私の問いを察してか、

いつに無くにこやかに笑った。

『じゃあ…さっき中原が殺したのは

不味かったんじゃ…』

「うん。」


むくり


死んだ筈の敵兵達が立ち上がる。

その目には異様なまでに光が無い。

「糞太宰、そういうことは早く言え。」

「自分を窮地に追い込んでいく作戦

なのかなぁ…って。」

「んなわけあるかァ。なんとかしろ。」

止めなかったのは敵の異能を見たかったのが半分、

中也で遊びたかったのが半分だろうか。

いや、どっちかというと中也で遊ぶのが六割か。

「無理だよ。敵を動けなくするか、

殺さないことくらいしかできない。」


まあ、私がいなければ…の話だけど?

そう言いながら彼は不敵に笑った。

#011 マフィアの黒-3→←#009 マフィアの黒-1



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
42人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

置いときもの(プロフ) - 黒木宙さん» コメント有難うございます!更新頑張りますのでお待ちくださいね!!体調に気を付けます!笑 (2017年7月17日 18時) (レス) id: 001e2135c2 (このIDを非表示/違反報告)
黒木宙(プロフ) - 何時も楽しみにしています!次が待ち遠しいです笑体調には気を付けて頑張ってください! (2017年7月17日 18時) (レス) id: 0545e227ea (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:置いときもの | 作者ホームページ:http://user.nosv.org/p/oitokimono/  
作成日時:2017年6月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。