知らねぇよ、もう！【日々樹渉】＿＿＿成瀬様リクエスト ページ8
手紙を読んだ彼は、すぐに走りだした。彼らしからぬ必死さで。
風を切る音が聞こえる程だ。
「Aさん…ッ！」
「！」
彼女はその声に反応してバッと顔を上げた。
彼女は今まで彼のこんなにも慌てた声を聴いたことがなかったのだ。
そして、歩み寄ってきた彼は彼女の手をとる。
…しかし、彼は話し出さない。
彼女はどうしたらいいかわからない、といった様子で彼を見つめている。
だが、そんな様子の彼女を見て一息つき、彼はついに話し出した。
「Aさん、本当に、すみません。まさか貴方から先に言われてしまうだなんて考えてもいなかったもので…。
これでは道化失格ですね。
…ですが、これでは終われません。
この日々樹渉に、もう一度、道化として貴方のそばにおいてくれませんか？必ず、貴方を笑顔にしてみせましょう…☆」
そう言って、彼は彼女に優雅に手を差し伸べた。
恐らく、この手を取れば彼女は受け入れたことになるのだろう。
最初はしおらしかったが、段々と声色は戻っていき、最終的にはいつものような『道化』の彼に戻ってしまった。
これが、感情表現の苦手な彼の、精一杯の意志表明だったのかもしれない。
いささか手を取るのに時間がかかっていることを気にしているらしく、彼は閉じていた瞳を開き、彼女をじっと見つめた。
「…はぁ。」
彼女はそのとき、小さくため息をついた。
そして、彼の手を取る＿＿＿＿＿
「はぁあッ！」
「うぐッ！？」
…と思いきや、なんと彼の腹部に強めのタックルをかました。
最早Amazing、なんていう余裕のない彼は驚きを浮かべて？をたくさん生やした。
そんな彼を見下ろし、彼女は言う。
「…勘違いしないでください。別に、私は、貴方に『私だけの道化』になってほしくてそんな手紙書いたわけじゃないんです。
…だから、ちゃんと『彼氏として』って言ってくださいよ！」
…大声でそう言い放った彼女は、そのあとは何も言わない。彼の反応をうかがっている。
しかし、突如、彼は大笑いしだした。
「…ッ、あっはっは！…もう、貴方といると、私の方が驚かされてばかりです。」
そしてゆっくり立ち上がり、土埃を払い、彼女に再び、手を差し伸べる。
「では…私を、貴方の『彼氏』としてそばにおいてくれますか？」
「…ッ、はい。」
ウィンクした彼に向かって、彼女は歯を見せて笑い、その手を取った。
砂糖とミルクとメヌエット【天祥院英智】→←弟だなんて言わないでっ！【姫宮桃李】
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誘宵(プロフ) - すみません！リクエストいいですか？できたらでいいんですけど（おともだーちー）の続きが見たいです！ (2018年9月4日 18時) (
レス) id: 5537d07d79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - マイさん» リクエスト誠にありがとうございます。当方、伏見の小説をかいている途中なのでそのあとになりますが、よろしければかかせていただきます。 (2017年1月1日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
いーち(プロフ) - マイさん» はい、わかりました！ではその旨を伝えておきます。リクありがとうございました！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: 11ee66640a (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» あ、ごめんなさい！そー言う意味か。作者様の名前ですね！えぇ〜そうですね！まめだいふくもち様でお願いします！！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» えーっと、とりあえず鉄虎君が出てきたらなんでもいいです！お願いします！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめだいふくもち/いーち x他1人 | 作者ホームページ：http://ない
作成日時：2016年8月12日 23時
