弟だなんて言わないでっ!【姫宮桃李】 ページ7
……ボクには、気に入らないヤツがいる。
「桃李くん、おはよ〜!」
へらへらした顔で駆け寄ってくるのは、A。一応、一個上の先輩だけど、見た目とか、雰囲気とか、同い年って言われてもすんなり信じられるぐらい。
それなのに、Aは先輩ぶって話しかけてくる。「私は先輩だから!なんでも頼ってね!」なんて言われると、なんだか気にくわない!
「あれ、桃李くん?とーうーりーくん?」
目の前でぶんぶん手を振って首を傾げているAに気づいて、無性に腹が立ってきた。だから、思いっきりぷいっと顔を背けてやる。
「あっ!ちょっと、先輩に対してその態度はなんですかー??……そんな生意気な子には、こうだ!」
「うにっ!?ちょ、くすぐらないでっ!〜っ、分かった、分かったから、離して!」
必死にもがくと、彼女はニヤニヤしながらようやく手を離した。もう、なんなの、こいつ!
「庶民のくせに、ボクに命令するなんて頭が高い!ボクに接するときは、もっと丁寧に優しくしてよね!」
腕を組んで、そう言い放ったら、Aはぽかん、となんとも間抜けな顔をした。それから、ぷっと吹き出す。
「あはは、桃李くんって本当に面白いねえ!可愛い〜、私の弟になる?」
「なっ」
ちゃっかりボクの頭を撫でながらそんなことを言うAに、顔がかっとなるのを感じた。なんか、なんか、こいつに弟って言われると、嫌な感じ!
「可愛いは否定しないけど、ボクはもう立派な大人なんだからなっ!だから、だから、子ども扱いしないでよね!!」
「ふふふ、可愛い可愛い〜」
なおもニコニコしながら頭を撫でつづけるA。その手を振り払ったら、彼女は残念そうに鞄をかけなおした。
「ちぇっ、もうちょっと遊んでいたかったのになぁ……?でも、もうすぐ予鈴鳴るから行くね。また後で会おうねー!」
「二度とこなくていいっ、バカ!」
思いきってそう叫んでみても、返されたのは楽しげな笑顔だけで。むうう、ホントにムカつく!
なんでこんなにあいつと話したらイライラするんだろ?自分の気持ちがわからなくって、なんだか気分が悪い。
……ライバル心、ってやつかなぁ?
ボクほどではないけど、あいつは結構可愛いし。そっか、だからか!あいつに「可愛い」の座がとられるのが嫌なんだ。
納得できて、ボクはやっとすっきりした。次会ったら言ってやろう、「ボクの方が可愛いぞ!」って。
___この気持ちが恋だっただなんて、ボクはまだ気づかない。
知らねぇよ、もう!【日々樹渉】___成瀬様リクエスト→←ともだーちー【月永レオ】
293人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
誘宵(プロフ) - すみません!リクエストいいですか?できたらでいいんですけど(おともだーちー)の続きが見たいです! (2018年9月4日 18時) (レス) id: 5537d07d79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - マイさん» リクエスト誠にありがとうございます。当方、伏見の小説をかいている途中なのでそのあとになりますが、よろしければかかせていただきます。 (2017年1月1日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
いーち(プロフ) - マイさん» はい、わかりました!ではその旨を伝えておきます。リクありがとうございました! (2017年1月1日 21時) (レス) id: 11ee66640a (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» あ、ごめんなさい!そー言う意味か。作者様の名前ですね!えぇ〜そうですね!まめだいふくもち様でお願いします!! (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» えーっと、とりあえず鉄虎君が出てきたらなんでもいいです!お願いします! (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まめだいふくもち/いーち x他1人 | 作者ホームページ:http://ない
作成日時:2016年8月12日 23時