あなたとふたりきりの(前)【朔間凛月】＿＿＿桜羽さまリクエスト ページ26
「A、隠れんぼしよう」
「…………は？」
いつものごとく、木陰で気持ち良さそうにスヤスヤと眠りこけている同級生を呼びに来てみれば。急に起き上がった彼は、いやに真剣な顔をしてそう言い放った。
「隠れん……え？」
「隠れんぼ。知らない？」
「いや、知ってるけど。私は凛月を起こしに来ただけなのに、なんでそんな話になったの？」
聞くと、彼は細い人差し指を自身の顎にあてた。それから、数秒だけ考えこむような仕草をしたあと、にこりと微笑を浮かべる。
「えーと、気分？」
……答えになってない。
納得がいかない、という顔をする私に、凛月は「じゃあこうしよう」と今度は人差し指を楽しそうにふった。
「Aが時間内に俺を見つけられたら、Aの勝ち。見つけられなかったら俺の勝ち。で、勝った方の言うことを聞くの。Aが勝ったら、俺は昼でもなんでも起きてレッスンしてあげる〜……♪」
今なんていった。
否、私は確かに聞いた。私が勝てば、このサボり魔は真面目にレッスンに参加してくれるらしい。いつも真緒くんと一緒に手を焼いていたこいつが、自分からレッスンを受けてくれるのだ。
「……いいよ、やる！」
「ふふ、随分気合い入ってるねぇ？」
くすくすと笑って、凛月は校舎に取り付けられた時計を指差した。
「制限時間は、あの時計の長針が12時を指すまで。範囲は……そうだね、俺は校舎内にしか隠れない。3分たったら、探しに来なよ」
凛月の指をおって、時計を見る。範囲は限りなく広いけれど、急いで探せば校舎中をギリギリ探しきれるかもしれない時間だ。
「分かった。ズルは無しね」
「Aは俺をなんだと思って思ってるの……？ズルなんてしない、約束〜」
相変わらず飄々とした態度でいう彼だけど、凛月は約束だけは破ったことがない。
ならいいけど、と頷いた私を見届けて、凛月はのそりと立ち上がった。
「それじゃあ、ゲームスタート。……頑張って、俺を見つけてみなよ」
「……ひゃくななじゅうはち、ひゃくななじゅうきゅう、ひゃくはちじゅう。よし、3分！」
もういいかい、と問いかけてみるけど、返事が返ってくるわけもなくて。ちょっと残念に思いながらも、私は校舎内に足を踏み入れた。
＊＊＊
続きます。
あなたとふたりきりの(後)【朔間凛月】＿＿＿桜羽さまリクエスト→←下を向いて、歩きましょうか。【氷鷹北斗】
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誘宵(プロフ) - すみません！リクエストいいですか？できたらでいいんですけど（おともだーちー）の続きが見たいです！ (2018年9月4日 18時) (
レス) id: 5537d07d79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - マイさん» リクエスト誠にありがとうございます。当方、伏見の小説をかいている途中なのでそのあとになりますが、よろしければかかせていただきます。 (2017年1月1日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
いーち(プロフ) - マイさん» はい、わかりました！ではその旨を伝えておきます。リクありがとうございました！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: 11ee66640a (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» あ、ごめんなさい！そー言う意味か。作者様の名前ですね！えぇ〜そうですね！まめだいふくもち様でお願いします！！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» えーっと、とりあえず鉄虎君が出てきたらなんでもいいです！お願いします！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめだいふくもち/いーち x他1人 | 作者ホームページ：http://ない
作成日時：2016年8月12日 23時
