むかしむかしあるところに【天祥院英智】 ページ19
『むかしむかし、あるところに、一匹の犬がいました。
その犬は飼い犬でしたが、毎晩、野良犬が会いに来ます。
「…また来たの?」
「あぁ、やっぱり、お前はこんなところから逃げるべきだからな。…オレと一緒に行こう。」
「私は行かないわ。だって飼い主さんのこと大好きだもの。」
「…。」
「彼は私がいないとダメなの。もちろん私もね。」
それを聞くと、何かいいかけた野良犬は悔しそうに口をつぐんで、帰っていきます。
そのあと、飼い犬は飼い主に全身を預けて、甘えるのです。』
…ぱた
彼はペンを置き、本を閉じた。
本、と呼ぶのは間違っているだろうか。
これは彼のただの手帳で、その文章は暇つぶしにすぎないのだから。
暇つぶしといえど、これは彼にとっては重要なもの。
もう一度それを眺めたくなった彼は、また手帳を開いて、読み返してみる。
そうして、満足げに微笑み、思った。
「…なかなか、よくかけたかもしれない。…ねぇ、『A』?」
その思いは呟きとなって外へ飛び出した。
彼が回転いすを反対に向ければ
「はい!」
元気な声が返事をした。
彼の犬…もとい思い人だ。
「違うでしょ、A。犬は『わん』でしょ?」
「…わん!」
また、『犬』は元気よく返事をした。
「こうやって他の雄犬の相手をする必要はないんだよ、でもちゃんと追い払ったのは偉いね。褒めてあげる。」
彼が手招きをすれば、『犬』はただ従順に、命令を聞いた。
・
・
「…また来たの?」
「あぁ、やっぱり、お前はこんなところにいるべきじゃないからな。…オレと一緒に行こう。」
「…私は行かないわ。だって彼が怖い。」
「…。」
「すごく、怖い。離れたり、反抗したりすれば、いつでも×されてしまうそう。あの氷のような微笑みを見るだけで、死んでしまいそう。」
「…。」
「ほら、こんなに話してたら貴方だって目をつけられちゃうわよ?だから、ほら、早く行きなさいよ。」
「…オレは」「早く!」
彼がなかなか行こうとしないことを察した彼女は、自ら走り去っていった。
・
・
____彼は、いつ真実に気づくのですかね?
____さぁ、永遠に気が付かないのでは?
貴方がどこにいても、【月永レオ】___茉里沙さまリクエスト→←反吐が出るだとか【大神晃牙】
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誘宵(プロフ) - すみません!リクエストいいですか?できたらでいいんですけど(おともだーちー)の続きが見たいです! (2018年9月4日 18時) (レス) id: 5537d07d79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - マイさん» リクエスト誠にありがとうございます。当方、伏見の小説をかいている途中なのでそのあとになりますが、よろしければかかせていただきます。 (2017年1月1日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
いーち(プロフ) - マイさん» はい、わかりました!ではその旨を伝えておきます。リクありがとうございました! (2017年1月1日 21時) (レス) id: 11ee66640a (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» あ、ごめんなさい!そー言う意味か。作者様の名前ですね!えぇ〜そうですね!まめだいふくもち様でお願いします!! (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» えーっと、とりあえず鉄虎君が出てきたらなんでもいいです!お願いします! (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめだいふくもち/いーち x他1人 | 作者ホームページ:http://ない
作成日時:2016年8月12日 23時