【刀剣乱舞】来派のお色気刀剣女士 柒。

にひゃくななじゅうなな。 ページ38

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　私が政府を出る一週間前、政府の人から、私を受け入れてくれる本丸があった、という話を聞いた。まさか、と思った。あんなに大きな事件を起こした私を受け入れてくれる本丸なんて現れない、そう思っていたから。

　きっと、政府の人が頼み込んだんだろう。私を受け入れる代わりに、報酬を多くするとか、資源を渡すとか、そんな条件を提示したのかもしれない。


　でも、それでも、もう一度審神者見習いとして何処かの本丸に研修へ行けることが、単純に嬉しかった。
　ただひとつ気掛かりなのが、“迎えにくる”という意味深な言葉を残して顔を見せない白夜さん。




　三週間ほど、あの人の顔を見れてない。まぁ、忙しくなるから会いに来れない、なんて言っていたから……きっと本丸の方で何かあったんだろうな。





咲 「(せめて、感謝の言葉くらいは伝えたい。それから謝罪も。)」





　白夜さんには、本当に助けられてばっかりだった。自分のところの刀剣を誘拐したこんな私のことを、いつも気に掛けてくれて、政府に何度も足を運んでくれた。

　政府の監視下に置かれて、不安とか戸惑いとかに押し潰されそうになっていた時なんかは、優しい言葉をかけてくれた。加害者である私に。


　だから、私が此処を出る前に、もう一度だけで良いから会いに来てくれないだろうか。勿論、政府を出てから、私自身で会いに行くって方法もある。
　けれども、白夜さんの本丸には行けない。白夜さんのところの刀剣の皆は、私を恨んでいるから、憎く思っているから。



　いつか白夜さんが、本丸の皆には、私と面会していることは内緒にしてある、と言っていた。きっとそれは、私と面会していることが本丸の皆に知られてしまったら、白夜さんと刀剣の皆の間に、多少なりともヒビが入ってしまうからだ。





咲 「もう一度、もう一回だけで良いから、会いたいな。」

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