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蜜璃ちゃんにも褒めてもらって、ニヨニヨした顔の私がいる。うわあ、と頭を抱えた。客観的に見たら私これだけ気持ち悪い顔してたのね。しかもそれに躊躇なく話しかけにいく時透君マジで尊敬するわ。
『強いと思う』
「ヒィンやめて自分よりも強い年下に褒められて照れてる年増の顔なんて見ないでー!」
「あなた十八でしょう」
地面をバンバンと叩いておいおい泣き喚く私に、しのぶさんが的確な突っ込みを入れた。まあね、まだ未成年ですけれどね。
仕方ないから禰豆子ちゃんを私のあぐらの上に座らせ、それを後ろから抱き締めることで心中の平穏を保つ。スゥー……ハァ──ッ禰豆子ちゃんマジでいい匂いする、何でこんなにかぐわしき芳醇な香りをその体から醸し出してる訳なんですか(?)。
宇随の嫁さんの一人、須磨さんが気持ちの悪い笑みを浮かべながら「照れてるんですか照れてるんですか」と訊いて来た。アレッなんか既視感酷いぞ……金髪のアイツにめっちゃ似てる気がするぞ……、と言葉に詰まっていた私を助けるかのように、まきをさんが「困ってるでしょ!」と拳骨を食らわせていた。割と容赦のないアレだった。
『優しい……、んじゃ、ないか?』
『派手に綺麗だと思うぜ! 派手に!!』
『アンタら二人褒めるの雑過ぎじゃね!?』
「あっ天元様だー!」
映像の中の私が突っ込むと同時に、嫁さんズが歓声を上げる。いや雛鶴さんだけは「何してるの」みたいな感じで冷静だったけど、ちょっと頬が緩んでいるところを見れば旦那の映像を見えて嬉しそうなのは一目瞭然だった。
アオイちゃんとカナヲに「絶対コイツら思ってねえよなあ」と愚痴ると、アオイちゃんには「そんなこと私に訊かないで下さい」みたいな顔で見られた。カナヲは銅貨を弾き、裏だったそれを見るとニッコリ笑うだけだった。か、カナヲ〜〜〜〜!!(咽び泣き)
『俺はそんな君の心が、この世の何より美しいと思う』
『笑顔が綺麗だァ』
『……ゆ、……友人で、あって……良かったと、思う』
此処らへんはもう怒涛の黒歴史ラッシュ。しかも最後の伊黒のシーンで女性陣のその盛り上がりようは何なんだ、須磨さんやめて下さい背中叩かないで下さい、蜜璃ちゃんキュンキュンする要素なんてどこにもないんで叫ばないで下さい。
「いい加減仲直りしたらどうです」としのぶさんが言う。
「アイツから謝ってきたらそうしま……いやしねえな」
「むー?」
「…………、意地っ張りなんて言わないでくれよ?」
なあ、と私は、彼女の頭を撫でたのだった。
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不死川実弥 「撫でろ」→←胡蝶、甘露寺、栗花落、竈門、神崎、宇随 「映像を見ろ」
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なずな - 心臓が1億個ぐらいあってもたりませんでした!!助けてください!!(?) (3月29日 12時) (レス) @page50 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - とても、面白かったです! (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 一気読みしてたら、もう夜になってた⁉ (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯殿 - 面白い続きが観たい… (2022年12月12日 10時) (レス) @page50 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
nori(プロフ) - 作者様の話好きすぎる…✨一気読みしちゃいました笑今更ですがお疲れ様です!作者様の作品これからいっぱい見てみようと思います!!! (2022年8月27日 21時) (レス) @page50 id: 415de435f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2021年1月9日 17時