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舌をねじ込めば、何度やっても慣れないように体を跳ねさせるAが可愛らしくて。体を退かせようとするのを頭を掴んで阻止し、いっそ酷なぐらいにキスを続ける。ほんの少しだけ口を離すと喘息のように不規則に息をする。
「苦しいか?」
「ひ、ふ、ふぅ、」
酸欠からか気持ちが良くてなのかはわからないが、濡れ羽色と文字そのままに瞳を濡らしているAは必死で頷く。にこりと笑った俺に加減してくれるかと思ったのだろう。Aは安堵したように表情を緩め、
「すまん、抑えが利かない」
「────」
絶句した彼女の口を、これ幸いにと塞いだ。ぐじゅ、と水音が鳴るほどに唾液を掻き混ぜてやる。口の端から溢れたものを指で拭ってやると、どろどろに溶けた瞳が俺を見る。どうせもう薬のことなど頭から飛んでいるだろう。
──ああ、愛らしい。
Aも俺と同じほどではないにせよかなりの量を呑んでいたので、もう抵抗する理性など塵も残っていないらしい。他人事のように考える。実際他人事だ。
ただ、彼女が嫌なら止めるつもりではある。この状況下で、彼女が嫌だと言えるはずもないことを俺は知っているが。
上顎を舐めあげると、いっとう体が強く跳ねた。そうか、これが好きなのか、と思いながら思うままに蹂躙する。歯列をなぞるだけでAの涙が零れていった。腰が跳ねるのを押さえてやると、そんなものはいらないとばかりにバンバン背中を叩かれた。痛い。
「──ん。もう少しやるか?」
「むり、むり、しんじゃう」
「……だがな、俺はまだ足りない」
まあどれだけやっても足りないと思うがな。
俺の言葉に、Aは本当に絶望したかのような表情を浮かべた。此方が困ってしまう。そんな顔をされると歯止めが利かない──これで抑えてるのかと問われたら否だが。
Aは泣いた顔で俺を見上げた。
「あ、あたま、バカんなる」
「…………」
『かわいい』『かわいい』『かわいすぎてこっちが死ぬ』としか頭に浮かばなかった俺もたぶんバカになっている。
覆い被されるように押し倒されたAの喉から、くぅ、と仔犬のような声が出る。
「大丈夫だ。もっと、──全部、考えられなくしてやる」
理性の欠片も感じられないような言葉に、Aはひくりと喉を引き攣らせた。
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「あたまバカんなる」って台詞いつか言わせてぇなって思った結果。
書き手さんに言っておくとえろいシーンは夜に書いて、絶対見直さない方が良いよ! 後から恥ずかしくなるからね!
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なずな - 心臓が1億個ぐらいあってもたりませんでした!!助けてください!!(?) (3月29日 12時) (レス) @page50 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - とても、面白かったです! (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 一気読みしてたら、もう夜になってた⁉ (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯殿 - 面白い続きが観たい… (2022年12月12日 10時) (レス) @page50 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
nori(プロフ) - 作者様の話好きすぎる…✨一気読みしちゃいました笑今更ですがお疲れ様です!作者様の作品これからいっぱい見てみようと思います!!! (2022年8月27日 21時) (レス) @page50 id: 415de435f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2021年1月9日 17時