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ぎゅっと手を握られ、それをそのまま後ろに倒される。混乱しているせいでロクな抵抗も思いつかず、重力に従って床に背中が付いた。すぐ近くに冨岡の顔があって、白い天井が見える。冨岡の黒髪との対比がはっきりし過ぎていて、頭が揺れる。
「いや、わた、わたし」
「何だ」
「し、したことない……」
私は何を言ているんだ。
ちょっと待て、自分の恋愛事情まで喋るつもりはなかった。最早頭がジェットコースターレベルの速さで回転している。恨むべくはその道筋が同じ処しか回っていないということかチクショウめ。
冨岡は「問題ない」と言って私の頬をかぷりと噛んだ。思考が完全に破裂した。待っ、ちょ待っ……。待ってくれ。せめて顔を見られたくないという一心で顔を覆う。べろりと手の甲を舐め上げられて悲鳴を上げ、動悸がどうしても早くなる。
「や──、やだ」
本音が出た。紛うことなき本音で、冨岡を拒絶してしまう。
彼がぐっと眉を寄せたのが見えて、罪悪感が沸き上がるのは確かだ。だが本当に、こんな処で、こんな形でなんてやりたくない。冨岡が嫌いな訳じゃない、嫌いだったらこんなものは全力で抵抗している。全力で抵抗しても敵わないくらいの相手だったならこんなに無駄なことなんてしていない。
唇に柔らかな感触がした。ふわり、と温かくなる。舌を差し込まれて、頭がぼーっとするくらいにメチャメチャ気持ちいいキスをされた。息が整うのも待ってくれるし、事を早く進めようという気も感じられない。ぐったりと力の抜けた手で冨岡の隊服を握る。
「とみ、お、か」
「絶対に怖くさせない。することはするが、本当に嫌だったならそれ以外何もしない。──だから」
「いや、違う。そうじゃない」
「──？」
「あれ」
そう言って私が指さした先にあるのは、『せ』と書いてあるお題の上から、��何か剥がれ落ちているように見える��紙だ。
物凄く痛いぐらいの無言が訪れ、冨岡が私の上から退いてそのお題の元に向かう。剥がれかけのものを一思いに千切ると、そこから一つの文字──『み』が現れた。『み』以外の文字は何も変わらない。──つまり此処の本当のお題は、
「【ミックスしろ】……」
「…………」
部屋の隅にある机の上に置かれたミキサー。それから色とりどりの──いやもうこれ以上説明するとなんか心がぽっきりいきそうだからやめておく。
二人でミックスジュースを作って仲良く出ました。多少の語弊は気にしないでください。
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黒死牟、猗窩座、童磨 「取り合え」→←冨岡義勇 「────」
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なずな - 心臓が1億個ぐらいあってもたりませんでした！！助けてください！！（？） (3月29日 12時) (
レス) @page50 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - とても、面白かったです！ (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 一気読みしてたら、もう夜になってた⁉ (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯殿 - 面白い続きが観たい… (2022年12月12日 10時) (レス) @page50 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
nori(プロフ) - 作者様の話好きすぎる…✨一気読みしちゃいました笑今更ですがお疲れ様です！作者様の作品これからいっぱい見てみようと思います！！！ (2022年8月27日 21時) (レス) @page50 id: 415de435f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2021年1月9日 17時
