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冨岡義勇 「────」 ページ26

リクエスト。
なんか違う。(良い子は見ないでね)


.


 お題を見て、流石に沈黙する私達。この世にこれほど地獄な沈黙があると思わなかった。人と喋るのが得意という訳じゃないし、むしろ冨岡や時透君といる時の沈黙は嫌いではない。気まずい空気は嫌いだが、言わなくても伝わる空気は好きだ。

 ただコレはないだろう、と思う。いや、だって、さあ。……お題が『せ』で始まって『くす』で終わるんだよ。



「……、…………、せっ……」

「…………」



 冨岡に呼びかけようとして途中で言えなくなった。むしろ無言の状態がねばついた空気に変わった。やめてくれ少しでもこの状況を打破しようとしたんだやめろそんな目で見るな冨岡。ごめん、いや、マジごめん。

 そのお題を見ていられることもできなくなり、私は赤くなった頬を押さえるようにして顔を覆う。ぺたりと座り込むと、冨岡も同じようにして座った。いつもどうやってコイツと接していたんだっけ、と下らないことを考えながら眉間を揉むが、解決策が全く見当たらない。


 いや、実際には解決策がそのお題に書いてあることなのだ。此処から出るにはお題に従うしかないということは今までの経験上──何十回閉じ込められたのかすらわからなくなるぐらいの私にもわかっている。ただそれは、……いや、もう何言っても言い訳にしかならないんだろうけどさあ。



 したこともないし、したいと思ったこともないし──冨岡を好きな訳でもないし。




「どう」

「────」

「どう、する?」




 バカみたいに声が震えた。

 冨岡はじっと碧い瞳で私を見つめたかと思うと、──「好きだ」と、言った。


 ……、なに?



「好きだ」

「は?」

「Aが好きだ」

「は?」



 ロボットレベルで同じ返答をした。何を言ってるんだかわからずに数秒フリーズし、それからようやく言葉の意味に突き当たり、「はあ!?」と叫んだ。『以下略』とでも付きそうなレベルで変わらない返答である。

 口をはくはくと開閉させる。冨岡は依然として変わらない碧眼で此方を見ていた。それがするり、と音もなく近づいた。


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・→←不死川実弥 「撫でろ」



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なずな - 心臓が1億個ぐらいあってもたりませんでした!!助けてください!!(?) (3月29日 12時) (レス) @page50 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - とても、面白かったです! (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 一気読みしてたら、もう夜になってた⁉ (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯殿 - 面白い続きが観たい… (2022年12月12日 10時) (レス) @page50 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
nori(プロフ) - 作者様の話好きすぎる…✨一気読みしちゃいました笑今更ですがお疲れ様です!作者様の作品これからいっぱい見てみようと思います!!! (2022年8月27日 21時) (レス) @page50 id: 415de435f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/  
作成日時:2021年1月9日 17時

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