継国縁壱、巌勝 「制限時間:一刻」 ページ13
リクエスト。
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「う〜ん、できれば一番最初に君達に会えてたらなあ……」
唸る私を、巌勝さん──もとい巌勝くんはあからさまに不審者を見るような目で見て、縁壱くんはそんな兄の様子をきょとんとした顔で見ていた。きょとん、というか──時透君のような。ああ、そうだ。彼に似ている。巌勝くんはそんなことないが、そうだ、時透君に縁壱くんは似ているのだ。
風貌は大して──というか全くもって似ている要素はないが(赤みがかっている髪と青みのある髪では全然違う)、あの何処を見ているんだが全くわからない目。瞳孔何処にあるんだと探したくなるような感じの瞳が物凄く似ている。
「何処の手勢だ? 何が目的だ、情報か。言っておくが尋問する気ならその前に縁壱を殺して俺も舌を噛む」
「うわああ止めろ止めろ!? 違う、怪しいモンじゃない!」
「何処をどう見たら怪しくないんだ」
「ド正論!」
冷静な巌勝くんの警戒心は最もだが、いやこの時ばかりは縁壱くんを見習ってほしかった。本当に違うんだ取り敢えず頼むから自決だけは止めろ、と土下座をすればようやく話を聞く耳はもってくれた。いや最初からもってくれていたのだが。行動がアグレッシブ過ぎただけなのだが。
幸い、条件をこなさねばならないタイプではなくて良かった──あの漢数字(普段は普通の数字だが、戦国時代の彼らに合わせたのか漢字になっていた)が零になったなら此処から出られる、と言う。信じても信じなくても、こればかりはどうしようもない。
もちろん巌勝くんは「そんなこと、誰が信じる」と噛みついて来た。ごもっとも。プライドなんざ一マイクロも見つからない私を信じられないのは普通である。
だが此処で登場したのが我らが
「悪い人では、ないと思います」
「────」
「ほらぁ! 兄上殿、縁壱くんもそう言ってることだしぃ!!」
「兄上殿と呼ぶな貴様」
渋々矛を収めてくれた。私はお礼に縁壱くんを撫で回してあげたが、即座に巌勝くんに剥ぎ取られてしまった。まあ、うん、仕方ない。
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なずな - 心臓が1億個ぐらいあってもたりませんでした!!助けてください!!(?) (3月29日 12時) (レス) @page50 id: f22ade9e4c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - とても、面白かったです! (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
真白 - 一気読みしてたら、もう夜になってた⁉ (2023年1月27日 1時) (レス) @page50 id: 1bd364c53c (このIDを非表示/違反報告)
廣岡唯殿 - 面白い続きが観たい… (2022年12月12日 10時) (レス) @page50 id: 4e6dbece94 (このIDを非表示/違反報告)
nori(プロフ) - 作者様の話好きすぎる…✨一気読みしちゃいました笑今更ですがお疲れ様です!作者様の作品これからいっぱい見てみようと思います!!! (2022年8月27日 21時) (レス) @page50 id: 415de435f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2021年1月9日 17時