【鬼滅の刃】おい待て落ち着け。【○○しないと出られない部屋】

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今更何を、とまだ霞がかかる視界で冨岡を見上げた。

その顔は放心したようになっていて、はっと気づいたように屈んだ。……何て顔してやがんだ。



「すまない、本当に、大丈夫か？」

「はっ、あんだけ、滅茶苦茶してきたヤツが、」



何を言う、と言おうとしたものの荒い息にあって消えた。四つん這いになっていたが、片手で口の中の多すぎる唾液を拭う。

ようやく落ち着いてきた息だが、冨岡にぐいっと腕を掴まれて引っ張り上げられる。



「んだよ、」



悪態を吐こうと口を開いたものの、私に目も合わせられずに中途半端に口を開けている冨岡を見てそれが止まる。

冨岡はしばらく言う言葉を考えていたのだろうが、風景の中に言葉を探そうとするもそんなものある筈がない。それから一度唇引き結んだ冨岡は「悪かった、本当にすまない」と頭を下げた。


……んだよコレ。

いつもみたいに仏頂面しねーのかよ。

もっとお前、何も言わねえヤツだったろ。



「……あー！ んだこの空気気分悪ぃな！ いいよ別にんなこと早く出んぞ！！」



私はいつもより乱雑になった口調で冨岡に叫んだ。



「……ああ」



本当にお前は優しいな、と冨岡が後ろで呟いていたのは聞こえない振りをした。

……素直に言えなくて、悪い。


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時透無一郎　「耳を責めろ」→←冨岡義勇　「深く接吻しろ」

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