【syp】残り香 ページ13
syp「A先輩、早くこっち来てくださいよ」
「タバコ吸ってるうちは無理」
少し残念そうにタバコを消して、そっと私の隣座った。タバコ嫌いが中々治らなくてごめんとは思ってるんだけど…。
syp「けど、何やかんや言いつつタバコすい終わったあと何も言わないっすね」
「そりゃあ…慣れるじゃん。一緒にいれば」
syp「吸えとは言わないっす。A先輩と一緒に味わいたいっす。無理強いはしないですけど。」
ジッポをカチカチと弄りながら、器用に私を抱き抱えてコタツに潜る。微かに香るタバコの香りが鼻をくすぐった。
暇なのか、私の手を握ったりしてくる。…タバコを吸おうとしないあたりがほんとに優しい。
何もしなくても、一緒にいてくっつければ幸せ。そんな休日が心地いい。
syp「A先輩、この記事好きそうですね 」
「香水瓶…?あっ可愛い」
彼から渡されたスマホには新作の香水の記事が映る。瓶がとても可愛らしくて、Twitterでも人気らしい。
syp「…その香水扱ってる会社、オリジナルも作れるらしいっすよ。」
「へえ…」
確かに「好きな人の香りも作れちゃう!」なんて見出しであるけど…。好きな人の香りとか、ないよなあ。
ショッピくん、何もないし。強いて言うならー
「ショートピースの香り…?」
syp「?俺のタバコがどうかしたんですか」
「あのね、この記事みて、好きな人香りg……あっ…」
気づいた時には色々遅かった。
振り向いて答えようとした顔は、熱くて死にそう。
耳まで熱いのが嫌でもわかる。
syp「俺のタバコがどうしたんです?」
いつもみたいに、唇を優しくなぞってー
「…ん」
syp「…ん、まあ。俺の香りって表現は別にいいですけど、ねえ?」
「なッ、何言っ」
何言ってるの、なんて言わせてくれるはずも無くて。微かに香るショートピースの香りが口の中でドロドロ溶ける。
「ん〜ッ、…ッぴ、く…んぅ」
syp「…ほんと、可愛いこと言わないで下さいよ。先輩はつくづくダメな人ですね。
顔惚けてますよ。」
キスする度に香るタバコの味で、脳が麻痺するのが分かる。
口を開けば甘ったるい彼の味と、タバコの苦味が頭を支配する。
syp「またそんな顔するとかずるいですよ。」
「誰のせいだと、思ってるの…」
syp「俺のせいなのくらい分かりますよ」
…いつの間にか、彼とおんなじ香りに包まれてるとか知らないんだから。
ーーーーー
ショッピくん×嫌いだったタバコの香り。
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狂乱(プロフ) - メンバーの名前のところ、検索避けした方がいいかもです… (2021年4月5日 14時) (レス) id: 7dc8d53c73 (このIDを非表示/違反報告)
もも王 - *珈琲*さん» お願いします!気長に待ってます!頑張ってください! (2020年6月17日 18時) (レス) id: ddd6641eac (このIDを非表示/違反報告)
*珈琲*(プロフ) - もも王さん» かしこまりました!順に消化したいと思います! (2020年6月17日 13時) (レス) id: fa33405b71 (このIDを非表示/違反報告)
もも王 - はじめまして!今日初めて読んだんですが、虜になってしまいました・・・。ぜひ、リクエストをお願いしたいです。htさんでお願いしますDOGEZA。ちょっと甘めの歪なやつで・・・。無理でしたら大丈夫です!これからも頑張ってください! (2020年6月16日 22時) (レス) id: ddd6641eac (このIDを非表示/違反報告)
*珈琲*(プロフ) - ミイミイー☆(旧アカ3)さん» ありがとうございます!リクエストぜひ書かせていただきます! (2020年5月15日 18時) (レス) id: fa33405b71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*珈琲* | 作成日時:2019年9月2日 1時