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食後 ページ6

木兎「うまかったー!
やっぱ赤葦んちのご飯はすごいだろ、黒尾」

黒尾「お、おう。
すごいの規模がなんか違うけどな。」

食事が出された広間では終始笑顔が引きつっていたクロ君は私の部屋に入った途端に安心したように息を吐いた。
ガチガチに固まっていた体を癒すようにあぐらをかいて首をくるりと回した。


『ごめんね、気を使わせちゃったかな…』

赤葦「黒尾さんがそこまで緊張するとは思わなくって」

光太郎君と喋り、いつもの雰囲気を取り戻し始めたクロ君に謝る。
…そつなくシュッとこなすから、あんまり何も思わないかと少し思ってしまったのだ。光太郎君は少し特殊例だけど…

フルフルと首を振り、彼は優しく微笑んだ。
あぁ、合宿の時、夜寝れなかったときの表情を思い出す。


『そう言ってもらえると嬉しいんだけど…』

赤葦邸でのご飯を絶賛してくれた彼に微笑み返し、とりあえず大荒れの外を窓から除いた。
雨が降り始めてかなり立つ。最初は夕立かと思ってあまり気にしていなかったのだけど…

皐月さんがいうにはもう直ぐ止むようではあるけど、正直そもそもの予報がここまでひどくなかったから実際にやむかどうかも微妙なところ、らしい。
これでは車での移動も危ないし、ましてや歩いて駅までは無理だろう。


黒尾「帰れそうにないな…どうしようか」

木兎「あかーし、ここ泊まるのってあり?」

赤葦「ん…まぁ、部屋なら空いてるでしょうけど」

クロ君は壁にもたれかかり、低い位置にある窓から外を見る。
強い風が庭の花をあおり、花弁が飛んでいくのが見えた。


皐月「お部屋、ご用意しましょうか?」

私の背後にいた皐月さんが唐突に口を開いた。
急須とお茶のみをもってきたところからして端にあるお茶の棚(皐月さんコレクション)で用意していたらしい。もちろんちゃんと甘味もついている。

赤葦「なら、俺の部屋に布団3組お願いしていいですか?」

かしこまりました、と頭を下げて、次に見たときには皐月さんはすでに部屋の外に行ってしまったのか、少なくとも見える範囲にはいなかった。
…本当、あの人ってたまに忍者みたいな動きするよなぁ、なんて考えながら食後のお茶を三人と楽しむのであった。
 
 

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あやにゃん(プロフ) - hatajimamomokaさん» momokaさん、コメントありがとうございます♪ 若干話が迷走してはおりますが、最後までお付き合い願えたら光栄です( *´艸`) (2020年3月7日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
hatajimamomoka(プロフ) - このお話めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2020年3月7日 16時) (レス) id: 366eb10de3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2019年11月23日 22時

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