３日目 ページ17
文化祭というのは意外にも早く時間が過ぎ去る。
気がつけば３日目。
一般解放されていて、一番賑わう日曜日…
今のところ大きな問題もなく、全てが円滑に回って行く。
皐月「このアフターヌーンティーセットを一つお願いします。」
日曜の朝、ミスコンのステージが始まるまでの間のみの売り子さんの時間に合わせて皐月さんはやって来た。
いつも給仕して居る側だから、逆の立場の私を見に来たのだろう。
多分、私を見に来たというよりは、この立場を体験しに来た、というのが正解な気がする。知らないけど。
長いヴィクトリア朝のドレスに近いメイド服を着た私は、申し訳ありませんが、と小さくお辞儀をする。
『アフターヌーンティーは１４時からとなっております。
今のお時間ですと、こちらのブランチのメニューがおすすめとなっております。』
皐月「なるほど。
ではこちらをお願いします。紅茶はヌワラ・エリヤで。」
ヌワラ・エリヤ。
それはセイロンと総称されて居るスリランカ産の高地、１３００m以上で取られた茶葉のことを指す。他にはウバやディンブラが有名…
皐月さんに色々と聞かされた紅茶雑学を思い出しながらガゼボにオーダーを渡す。
そしてここから無線機ですぐ近くにある家庭科室にオーダーが飛ぶようになって居るのだ。
メイドさんが無線機をつけていると雰囲気が壊れるので、ここを経由する仕組みになったのだとか。
『５番テーブルのお客様にブランチのメニューとヌワラ・エリヤをお願いします。
あと、７番テーブルのお客様が呼んでらしたのでお会計行きますね。レシートもらえますか？』
なんだか勝手に口調が礼儀正しくなって、治らないのをむず痒く感じながらクラスメイトに接する。
なお、金曜日、土曜日と長い間ここで働いている人たちにとってはもはや普通になってしまったみたいだけど…
冬木「えぇ、こちらよ。
お持ち帰り用のケーキも注文なされてたから、お見送りの際に…あら、まだ届いていないわね。
ねぇ、及川くん、家庭科室から７番テーブルのお客様のケーキを持って来てもらえないかしら？」
近くでハイティースタンドやらを片付けに行く徹に彼女は声をかけた。
了解、と短く返した彼はそのまま片手にお皿やカトラリーを乗せたまま軽やかに去って行く。
さすがスポーツマン、体幹が鍛えられている上に筋肉があるからかこういうことには向いているらしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 134人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやにゃん(プロフ) - hatajimamomokaさん» momokaさん、コメントありがとうございます♪ 若干話が迷走してはおりますが、最後までお付き合い願えたら光栄です( *´艸`) (2020年3月7日 19時) (
レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
hatajimamomoka(プロフ) - このお話めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ (2020年3月7日 16時) (レス) id: 366eb10de3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年11月23日 22時
