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早朝 ページ30

二日目も終わり、三日目がやってくる。
いい加減この環境に慣れて寝いって欲しいこの体はやはりいうことを聞かず、眠いのに朝早くに目覚めてしまう。
私は徘徊する老人かな…?

まあ、仕方がない。
外はもうじんわりと明るく、セミがうるさいほどに鳴いている。

身支度を整えて森然限定のペナルティ”さわやか!裏山新緑坂道ダッシュ!”が行われている場所へ行く。
今の時間帯だとちょうど陰っていて涼しいのだ。その代わり夕方にはキツイけれど。

皐月さんがバックに入れていたドイツ語の本を取り出して読み始める。
継続は力なりとは本当らしく、ここ最近ドイツ語の授業を入れられているからか数ヶ月前よりは読めるようになった方だとは思う。

 
月島「篠原先輩」

さわさわと草が踏まれる音と私を呼ぶ声が聞こえて振り向く。
色素の薄い髪の毛は太陽に照らされて光っている。

メガネを直して彼は私の横、一メートル半くらい開けて座った。

『おはよう、月島くん。
早起きだね?』

スマホの時計は6時半を表示している。
起床時間が一応7時過ぎで、基本ギリギリまで寝る人が多いから今の時間はまだ静かだ。


月島「先輩こそ。
…寝相悪い奴らが多いもんで」

嫌なことを思い出したように彼は顔をしかめた。
日向くんあたりのことを思い出しているのか眉間のシワは少し深まった。

月島「英語…ではないですね。
ドイツ語ですか?」

私が膝に置いた本を指差して問う彼に私は頷いた。

ふうんと声を漏らした月島くんは手渡されたそれの中身をパラパラとめくる。
外国語に興味があるのだろうか?そうじゃないと言語の見分けなんてつかないだろう。

『興味あるの?』

月島「まぁ…大学でドイツ語を取ろうと思うくらいには。
兄が出張でスイス行って楽しかったらしいんで今やってるみたいです。」

彼にはお兄さんがいるのか…少し羨ましいな。

昨日までだったら話さなさそうな話題もいろいろ降ってくる月島くん。
やはり昨夜の奇声事件の時に何かあったのかつきものが落ちているようなすっきりさ。
 
 

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2019年4月16日 0時

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