ミルクティー ページ25
白福「んー気持ちいねー」
雀田「ほんと、生き返る…」
『だねぇ…』
3人で疲れた体を癒そうとお風呂に浸かる。
どうやら生川と森然のマネさん達は一旦部屋に戻ったようだ。
白福「Aちゃん赤葦の従兄弟なんだっけ?」
こくりと頷けばそっかー、とかおりちゃんが言った。
雀田「なんか雰囲気というか…似てるよね。」
初対面とは思えないほどに打ち解けられ、色々と喋る。
選手の状態だとか、誰がかっこいいとか、今日も光太郎くんはうるさかったとか。
ーーーーーー
少し長く浸かり過ぎただろうか。
薬を使ったはいいけど少し喉に違和感を感じる。
今日の晩御飯はカレーで少し喉に刺激的だったのもあるだろう。
先ほどまでうるさかった下の階はもう寝静まり、やっぱりみんな疲れたのかマネの彼女達もかなり前に寝入っている。
皐月さんに今日の報告は済ませたし、徹もさっきまで話してはいたけど寝てしまった。
…スマホをいじるも、寝たままの体制ではどうも辛い。
そっと物音を立てないように気をつけて部屋を抜け出した。
先生方は確か別棟にいるから気づくことはないだろう。
旧校舎を出て渡り廊下の屋根の下に座る。
さわさわと涼しい風が頬を撫でる。
昼間は仙台より暑いけど、今は同じくらい涼しい…
ひとりでにため息が出た。
あぁ…環境が変わったらこんなにねれない人間だったっけ?
家から本邸に変わった時は一番に順応したんだけどなぁ。
ぐるぐると考えているとトントンと肩を叩かれた。
思考に沈んていた私は近づく足音に気づかず、盛大に飛び上がる。え、夜の学校はそもそも嫌いなのに何か出たのか、とまで思考はぶっ飛んだ。
『クロくん』
若干裏返った声で背後に立つ彼の名を呼べば、申し訳なさそうに頬をかいた。
なんだか逆に驚いてごめん…
黒尾「ん。飲む?」
隣に座り込んだ彼は私にミルクティーの缶を差し出した。
ありがたく受け取ったそれは暖かい。
『今度、お礼するね。』
いいよ、別にと彼は微笑んだ。
カシュっと音を立てて開き、一口嚥下する。
まろやかなミルクと、ほんのりした甘さが包むようで安心した。
なぜだろうか、まだあって間もないというのにクロくんは近くにいて楽に思う。
お兄さんとかお父さん、みたいな安心感。
黒尾「自主練した後、体調悪いのかなって思いまして…
無理は禁物。」
沈黙を破り彼は片言にそう言った。
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2019年4月16日 0時