くしゃみ ページ24
部屋は暗く、まだ荷物が置かれているだけだった。
そうか、梟谷、生川と森然のマネージャーさんは晩御飯担当、烏野の二人はまだ自主練中か…
えっと…布団は確か旧校舎の入り口近くに運び込まれたんだったか
マネ部屋は2階なので階段を上るのは面倒くさい。
ま、一階を選手が使うので妥当と言えば妥当だけど。
タオルとスマホを部屋に置いてバッグを端に寄せる。
『…さてと…』
一回の布団部屋は泊まるための部屋ではないため少し埃っぽい。
くしゃみがでそ…
『っぐしゅ!』
あぁ嫌だ
マネージャーはみんなで7人だから、敷布団が7つ。
タオルケットは各自持参だから冬の遠征より布団の準備は簡単だ。
2つづつ持って上がり、最後の一枚。
そしてやっぱりあの部屋に近づくとくしゃみが出る。
アレルゲン、埃なんて滅びればいいんだ。
『へくしゅっ…』
月島「アレルギーですか」
シャワーを浴びた後らしい彼は布団を持ってそう言った。
『ん…まぁそんな感じです。』
声がおかしくなってきた私を不憫に思ったのか、そのまま烏野の教室の方には向かわず背後の階段を登り始める。
月島「そこに入るのやめといた方がいいですよ、その状態で。
特にアレルギーない僕でもあれですし。」
久しぶりに激しくバレーをしたこともあってか咳が出てきた私はおとなしくその申し出を受け取る。
…薬ポケットに入ってるって言ってたっけ
『けほっ…
ありがとう、月島くん。』
月島「いえ
確か20時からマネのシャワー時間なので入ってきたらどうですか?」
7枚目の布団を床に置いた彼はドアにもたれてそう言った。
スマホを確認すればちょうど20時を回ったところ。
『そうしようかな。』
お風呂セットの袋を持って彼と一緒に階段を降りる。
飄々としているものの、こういう気遣いができるところを見ると根はいい子なんだろうことが推測できる。
階段を降りたところで別れ、私は旧校舎を出てお風呂がある別棟に向かう。
森然高校では頻繁に合宿が行われるので銭湯のような大きなお風呂があるらしい。
ドアを引けば、中からは数人の声が聞こえてくる。
晩御飯を作っていた4人がもうきているのだろうか。
120人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あやにゃん | 作成日時:2019年4月16日 0時