友達 ページ6
少しのエビフライ、付け合せにライスを食べて、バニラアイスを頬張る。
冷たく、濃厚な甘さのそれは幸福な気持ちを満たす。
今回はちゃんと薬が効いてくれてよかった…おかげでご飯が美味しい。
『徹は、どうしてここに？』
デザート後の紅茶を飲んでいる彼に問う。
及川「少しね。
Aのお父さんと話があったから」
また、家や、婚約の関係の話だろうと自己完結した。
ソファーに体育座りし、普段はあまり見ないテレビをつける。
ちょうどバラエティー番組のチャンネルだったのか、静かなリビングに笑い声が響く。
物が少ないこの部屋で少し反響して、消えていった。
バラエティーなんて見るのは久しぶりだ。
学校柄、テレビを見る人は少なく、芸能人は反対に個人的に知っている人の方が多いくらいなのではと、変に勘ぐってしまう。
そういえば、モデルとか多いんだよね、うちの学校。
未だ食卓で無言で書類やらを見ている両親達の邪魔をしてはと思い、音を小さくして、ニュースに切り替えようと番組表をひらけば徹にリモコンを取り上げられた。
及川「上いこ。
お義母さん、お義父さん、ごちそうさまでした。」
母「えぇ、いつでもまた食べにきてね」
父「またくるといい」
口下手な父は短くそういった。
番組表に”及川”と、漢字の羅列が見えた気がしたのが少し気にはなったが、徹に部活の話をされて、それは記憶の隅へと追いやられた。
ーーーーーー
『お、はよう』
部活が終わり、朝教室に足を踏み入れ、心機一転の言葉を頭の中で唱えながら近くにいたクラスメイトに挨拶をする。
冬木「おはよう、篠原さん！
今日は、顔色も良さそうね」
『委員長、ありがとう
もうだいぶ。』
表情筋を稼働させて、人見知りというハードルを越えさせて微笑んで見る。ぎこちないだろうけど、これが精一杯だ。
すれば彼女は少し瞬きし、嬉しそうに微笑む。
冬木「こう言ってはなんだけど、篠原さんってとっつきにくい人だと思っていたの。
是非、お友達になりたいわ。」
『もちろん。
こちらこそ』
言葉足らずだっただろうか？
それでも冬木さんは嬉しそうに私の両手を握った。
席に着くと、ひなは少し険しい顔をしていた。
その表情の理由を聞けないまま、授業は始まった。
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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです！(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (
レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑！世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2018年8月19日 8時
