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不思議 ページ36

それから家に帰っても寝続けたおかげか次の日にはすっかりと治っていた。

うん、寝たら治る!
でも寝起きはなれない!

 
皐月「もう朝ですよ、A様。」

目覚ましの代わりに聞かされる声に私の意識はわずか0.5秒で覚醒する。
勢いよく起こした体のせいでぐわんと頭が揺られるが気にしまい…今はこの状況の方が謎すぎた。


『…貴方の声目覚ましをやめて、その代わりノックをご習得ならないんですか?』

皐月「私はそこまで物覚えの良い方でなく…ご期待に添えず申し訳ありません」


謎の断り方を披露する皐月さんに頭を抱えそうになった。

ご期待に添えず…ってそうじゃない。
ノックはそう難しくない、今の時代幼稚園児でもできるはず…


用意されている服や教科書は横目で流し、とりあえずベットから起き上がった。
こうも至れり尽くせりだとダメ人間になってしまいそうだ。


皐月さんが出て行ったことを確認してパジャマを脱いでランドリーシュートに放り込む。

下着を選んでキャミソール、コルセットをつけるのかぁとうなだれているも、昨日のようなものは見つからない。
その代わり柔らかい素材の白い補正下着…らしきものが置いてあった。
前はホックが並んでいて、昨日のコルセットより簡単に着れそうである。


プチプチと根気よくホックを止めていき、姿見で自分を見た。

タンクトップ型のそれは、バストアップ効果もついているのかいつもより胸が大きく見えた。
もちろんひなには到底かなわないが…おっと、無意識に歯を食いしばってしたようだ。


最後にストッキングを着用。

もうあと一週間でこの熱い冬服から解放される。

薄いベストを着た瞬間、またドアがノックなしで開けられた。


もう何も言うまい。

ニコニコと微笑む皐月さんに通学カバンとブレザーを持たせて階段を降りる。
教科書数冊入っているからそこそこ重いはずだが、軽々と人差し指だけでもってドヤ顔してきたときは流石にイラっときた。


リビングに降りると誰もいなくてシンとしている。

お父さんがいないことはあっても、朝はお母さんは基本的にいる。


皐月「お母様はまだ本邸にいらっしゃるかと。
朝ごはんの準備をしますので、テーブルについていてください。」

私のカバンをソファーにもたれさせ、ブレザーをハンガーにかけた皐月さんはシャツの腕をまくってキッチンに立った。
 
知り合ってまだ経たない男性と自分の家にいるのは相当不思議な気分だった。
 
 

忙しい→←目覚め



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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです!(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑!世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2018年8月19日 8時

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