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目覚め ページ35

ー自分視点ー


『京一兄さん』

ぼーっとした頭を動かして上半身を起こして後ろにもたれた。
前にかかった髪の毛をかき上げてカーテンを少し開ける。


赤葦「起きたんだ。
調子はどう?」

『ん、だいぶましな気がする…』


くる前よりは良くはなっている。

未だに疲れが残る感じはしているけどこれなら冷たい飲み物を飲んだら授業も受けに行けそうだ。
ここにきたのがそもそも午後授業前だから時間的に行けないだろうけど。

赤葦「無理はいけないよ
ちなみに及川君達は部活ね」

もう一度あの体温計を持ってきた彼はそれを耳に当てた。
ぞわりとする感覚に肩が跳ね上がる。

すぐになる機械音。
ディスプレイを見て兄さんはとりあえず安心した顔を見せた。


彼は一旦自分の机に戻り、私に冷たい飲み物をくれた。

お腹にいいようにかぬるいよりの冷たいスポーツドリンクが身体中に染み渡る。
程よい酸味と甘みを疲れた体は欲していた。


赤葦「体温はもう37度、されど37度。皐月さんに向かえにくるように連絡入れておくよ。
部活中の及川君らへんには伝えておくから。」

まだ何もいっていないのに兄さんは私が考えるであろうことを先回って潰した。
部活終わるまで待てるし…

皐月さんに笑われそう…の前にコルセットの件で…嫌味言われそう。


ーーーーーー

コルセットはひなに外してもらったようで、兄さんは安心して、と言った。

通学カバンに入れられたそれは、学校と大人の世界、みたいにちぐはぐに見えてなんだか笑える。

学校では子供でいられるのに、パーティーでは大人であることを望まれ…


腰掛けていたベットに後ろ向きに倒れこんだ。

バフっと音を立てると京一兄さんが少し焦ったようにこちらを振り向いたが、わざとだと知るとジト目で私を睨んだ。


コンコンと保健室のドアがノックされた。

ゆっくりと引かれたドアの向こうには焦った様子の皐月さんが立っている。

ハイネックにジャケット、スラックスと彼にしては少しカジュアルな服を着ていて、新鮮。
いつも迎えに来てくれるときにはシャツにジャケット、カフスボタンがいつものスタイル。


皐月「赤葦京一様から電話が来て、心配してきてみれば意外と元気そうで何よりです。」

字面だけで見るととげとげしそうな言葉、でも皐月さんは慈愛に満ちたような微笑みで私の目線に合わせるように片膝を地面につけた。
 
 

不思議→←赤葦京一



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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです!(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑!世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2018年8月19日 8時

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