13話 ページ14
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徹が浮気した日からはや一週間が経とうとしていた。私達の関係も相変わらずのまま。
でも変わったのは、放課後の教室で話をした以来、必死に許しの言葉を説いてた徹が大人しくなったこと。
「…何考えてるの?」
授業中、小さくそんなことを呟く。
だってわからない。されど一週間、でもたかが一週間。まだ徹が浮気したあの日から一週間しか経ってない。
徹は様子見でもしているかのように私から距離を置き始めた。
「……………」
もしかしてこのまま終わるつもりなの?
それならそれで、私達は結局そこまでだったって話だけど。
「…………後味わる」
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ちょうどそんなことを考えていたとき、徹は私の元へやってきた。
「────A、ちょっと来て」
そう言って私の手をとり早足で何処かへ向かう。いつもと違う徹の様子に、私は眉を寄せてその背中を見つめた。
「……………徹?」
当然叶うわけもない体格差と力の強さに、大人しく着いて行くしかない私。
そして、やっと着いたのは理科準備室。
”あの時”以来、来ていなかった。生々しいキスの光景が嫌でも頭を過る。
「…っ、なんで此処に来たの…?」
少し薄暗い部屋で、徹はまだ足を進める。
教室をどんどん進んで行き、浮気相手と徹がいた机が近付いてきた。
─────…嫌な予感。
本能がそう感じとる。でもどうすることも出来ずに足は動かされた。
「───────A。」
私の名前を呼んで徹が立ち止まった。
嫌な予感は的中。
あのとき撮った写真と重なるように、私達は教室の端で立っている。
まだ何も話さない徹を私は睨む勢いで見上げた。
「…どういうつもり?浮気現場に連れてくるなんて、嫌がらせとしか思えな…っ」
私の言葉を遮るように、徹が腕が力強く抱きしめてきた。
「もっ…離して……んっ」
そのまま力任せに唇を奪われる。
徹がこんなに荒々しいキスをするのは初めてだ。
「……っ…徹…!」
私は出来るかぎり徹を押し返すが、それとは逆に前のめりに迫ってくる徹の身体。
「……A…っ、」
優しく私の名前を一言つぶやき、徹の手が私の太ももに触れた。
「………!ちょっ…」
唇が離されると徹はそのまま私の耳元に顔を寄せる。
「──────ねぇ」
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白鈴(プロフ) - リッターさん» 最初の頃のコメントでも書きましたが、恋愛裁判を聴いてるときに思いついたこの小説です。なので似ていると思います。ありがとうございます嬉しいです(^O^) (2015年10月24日 13時) (レス) id: 15310db6cc (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - ☆SIRONEKO☆さん» 1話目を思い出してください。← 嘘です及川さん根はイケメンですよねうん。コメントありがとうございます(^O^) (2015年10月24日 13時) (レス) id: 15310db6cc (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - 緑猫さん» いえええぇぇえい↑↑…ありがとうございます。大好きなんです、そして逆も然りですよ(^O^)頑張りますね (2015年10月24日 13時) (レス) id: 15310db6cc (このIDを非表示/違反報告)
リッター(プロフ) - なんだか恋愛裁判みたいですね… けどとても面白いです!クソ川の癖にイケメン…(( (2015年10月4日 16時) (レス) id: 43803e6b67 (このIDを非表示/違反報告)
☆SIRONEKO☆ - 及川さんがあのクソ川さんだと思えない程イケメンだと思うのは私だけなのでしょうか。← (2015年10月2日 21時) (レス) id: cac7adbe1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白鈴 | 作成日時:2015年5月24日 19時