捌拾話 志望動機 ページ34
「おめでとう。常中身につけたら後はもう実践積んで強くなるだけだよね。」
「ありがとうA。君は継子で忙しいのに俺の訓練に付き合ってくれて。」
息切れの酷い炭治郎に冷たい水を渡して二人で縁側に座る。
綺麗に手入れされた庭には蝶が優雅に舞っている。それをぼんやり見ていれば炭治郎は笑顔で話しかけてくる。
「ところで、Aはなんで鬼殺隊に入ったんだ?」
「………鬼に家族を殺されたから。そして私も殺されそうになったけど師匠が助けてくれたの。そのあとは行く宛てもないし成り行きで継子になった。」
「そうか………」
あからさまに申し訳なさそうな顔をする炭治郎に呆れる。鬼殺隊に入ってる奴なんて大体身内を鬼に殺されたり憎んでるものばかりだ。
「でもっ!Aは親や兄弟とか鬼を憎むぐらい大切なんだな!」
「兄弟はいない。殺されたのはお母さんだけだよ。」
「父親は生きてるのか?」
「……多分ね。私がまだ小さい頃…強くなるとか馬鹿みたいなこと言って家を出て行ったきりだよ。」
貧しい家庭を捨ててアイツは自分の理想を実現するために出ていった。
まぁ、いたところであいつも鬼に殺されるだけだ。
「A……!」
「うわっ」
叫び声が聞こえたと共に炭治郎は我妻くんと伊之助くんに捕まり稽古場へと言ってしまった。
どうやら彼らも炭治郎の成長ぶりを見て感化、もしくは危機感を覚えたのだろう。
私は再びひらりと舞う蝶をぼんやり眺めた。
……………………………………………………………
*大正コソコソ噂話
Aが善逸を名前で呼ばないのは、彼の距離感が近すぎたので距離を置く為。
伊之助が君付けなのは彼は男だと自分に言い聞かせるためである。
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佑奈(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!これからも応援してます! (2020年8月28日 13時) (レス) id: 4ea904291e (このIDを非表示/違反報告)
餡蜜 - 不死川さんと宇随さん、面白いです。フフフッ (2020年8月8日 19時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごい文才だと思います!私、応援しています! (2020年4月22日 16時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
寧夏(プロフ) - て、、低評価が着いたのですか…作者様の作品はすんばらしいので自信もってください!…私に言われても変わんないか笑評価して続編移ります!相変わらず最高です! (2020年4月5日 7時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
サクラミ - 面白すぎて辛いwww もうほんっとに大好きです! (2020年3月28日 9時) (レス) id: 2718317c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2019年12月11日 13時