ド派手な継子 弐

陸拾捌話 機能回復訓練 ページ21

「善逸さんは今日から訓練参加ですのでご説明させていただきますね。」



キリッという効果音が合うアオイさんが我妻くんに訓練内容について説明を始めた。

すごいなぁ、あんなにしっかりしてて。



「すいませんちょっといいですか？」




質問なのか我妻くんが挙手をする。
なんだか不穏な空気が彼の周りに漂っている。




「来い、お前ら。」

「行かねぇ…」

「いいから来いっつってんだろうがァあ！」




いきなり声を荒らげて二人を引きづって外に出ていってしまう我妻くん。

彼の豹変ぶりに驚く。


そして外の彼らの会話は丸聞こえでアオイさんは軽蔑の眼差しを向けている。

女の子に触れるとか幸せとか機能回復訓練を舐め腐っている。




「我妻くんは変態の権化だね。」

「困ったものね…」




蝶屋敷の女の子たちの苦労がしれない。


そしていいのか悪いのか彼の参加によって炭治郎を除いて彼らの士気が高まった。

我妻くんは、激痛が走るすみちゃんきよちゃんなほちゃんの体のほぐしを笑顔で突破する。

次の反射訓練でも湯のみに手をかけたアオイさんの手をぎゅっと握っている。

「俺は女の子にお茶をぶっかけたりしないぜ」

アオイさんが引いている。
下心がとどまることを知らない。



そしてお次の鬼ごっこはアオイさんに抱きつくという命知らずな行為を行う。あそこまで女に飢えていると見てて悲しくなってくる。



「おい、能面！次はお前とだ！」

「伊之助くんもアオイさんに勝てたんだね。」

「当たり前だ！」



自信満々に私を指さす伊之助くんと、くねくねしながら私とカナヲを見る我妻くん。




「なら次は私とカナヲが君達の相手を派手に務めてあげる。」




継子である私とカナヲが猪突猛進な彼らの壁になってあげよう。

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