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陸拾玖話 常中とは ページ22

炭治郎side



俺だけ負け続けてずぶ濡れ。恥ずかしい……それに情けない……



―――――バシャッ


薬湯のかかるかわいた音が響く。

見れば二人ともカナヲに一瞬で負けてしまっていた。誰も彼女の湯呑みを抑えることも捉えることも出来ない。


そのあとの鬼ごっこでも必死にAを追いかけるも全然捕まえることが出来ない。髪の毛1本、掠ることさえできない。




「そこまで!」


時間切れになりAは床に倒れ込んだ俺たちに手を差し伸べてくれた。彼女は優しさで行ったのだろうが彼女との格差に惨めになった。

そしてそれから五日間二人に負け続ける日々が続いた。



そして段々と、伊之助と善逸は訓練に来なくなった。

なんで俺は勝てないのだろう……俺とあの二人の何が違う…?


まず反射速度が全然違う。俺が万全の状態でも彼女達には勝てない。

あの二人からは柱の人達に近い匂いがする。

あとは、カナヲは目か?目が違う気がする。

Aは俺の頭の中が見えているのだろうか?いや、本能というか感覚か?動きが先読みされている様な気がする……



「炭治郎さん!」

「!」

考え事をしていればなほちゃんたちが話しかけてきていた。全然気づかなかった。

すると手拭いを貸してくれたのでありがたく流した汗をそれで拭く。


「あの、炭治郎さんは全集中の呼吸を四六時中やっておられますか?」

「え?」

「朝も昼も夜も寝ている時も、全集中の呼吸をしてますか?」

「やってません……そんなこと出来るの?」


「はい。それができるのと出来ないのでは天地ほど差が出るそうです。」



全集中は短時間、技を連発しただけで死にそうになるぐらい辛いし疲れる。それを四六時中?




「できる方々は既にいらっしゃいます。」

「柱の方々や栗花落様や吟河様です。」


頑張ってくださいと三人とも応援をしてくれた。なるほど、これが出来ればもっと俺は強くなれる!



「そうか、ありがとう!やってみるよ。」


三人に感謝しないと!

この時、俺はまだこの常中の訓練がどれほど辛いものになるのか分かっていなかった。

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佑奈(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!これからも応援してます! (2020年8月28日 13時) (レス) id: 4ea904291e (このIDを非表示/違反報告)
餡蜜 - 不死川さんと宇随さん、面白いです。フフフッ (2020年8月8日 19時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごい文才だと思います!私、応援しています! (2020年4月22日 16時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
寧夏(プロフ) - て、、低評価が着いたのですか…作者様の作品はすんばらしいので自信もってください!…私に言われても変わんないか笑評価して続編移ります!相変わらず最高です! (2020年4月5日 7時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
サクラミ - 面白すぎて辛いwww もうほんっとに大好きです! (2020年3月28日 9時) (レス) id: 2718317c45 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:AOI 3 | 作成日時:2019年12月11日 13時

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